●１９ ページ21
・
・
「あ、轟！」
「Aちゃん見なかった！？」
「…いや、見てねぇけど。」
「轟さんとも一緒じゃないのですね……」
「楠目、どうかしたのか。」
「…ああ、いや…連絡が取れないんだよ。」
お母さんの見舞いに行ってから寮に着いた時間は、夕飯の一時間前だった。
寮に入った途端、女子から囲まれ、楠目の行方を聞かれる。自分の携帯を見てみても、連絡は一切ない。
「楠目さん、寄るとこあるからって途中で僕たちと別れたんだ…」
「Aちゃんが連絡無視することなんてないと思うし……」
「………………」
……すげぇ嫌な予感がする。
そう思っていたら、「おい！これ！」と大きな声が聞こえてきた。共有スペースのテレビから流れるニュースは、世間を騒がしている少女・幼児誘拐の件だった。そこに映っていたのは、
「…これ、Aちゃんのバッグよね……」
「……嘘でしょ……！？」
現場に落ちていたのは、目覚えのあるスクールバッグ。その近くには、小さなカバンも乱雑に置いてあって、中身は散らばっていた。
『−−−ヴィランによる犯行だと思われます。また、現場付近に落ちていた被害者の私物から、被害者は雄英高校に通う女子生徒と見られる模様です。』
嫌な予感は的中した。冷や汗が止まらない。「どうすれば……！」「先生たちに連絡！」「多分、連絡がいってるはず……」慌てるクラスメイトを見て、俺は気づいたら寮を飛び出していた。
「轟くん！？」
俺を呼び止める声なんて無視して、ただひたすらに走った。
「……っ、楠目……！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 77人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きよりん(プロフ) - とても面白いです！続きがすごく気になります！！ 最後のこはねのはなし がありますよね？あれを"こねた"と読み間違えて、何を捏ねたのかな？と思いました（笑） (2018年8月23日 0時) (
レス) id: 5f1549994e (このIDを非表示/違反報告)
鈴木美妃(プロフ) - ファンになりました。早く続きが読みたいです。これからも更新楽しみにしてます。頑張って下さい。応援します。 (2018年8月22日 23時) (レス) id: 07de0b9a74 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：こはね | 作成日時：2018年8月22日 22時
