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再び笑い出した轟くんに、緊張の糸が切れて、無意識に止めていたらしい息がやっとできるようになる。…じゃあ、初めから轟くんは気づいてたってこと?
「俺こそごめんな。強引に付き合わせちまって。」
「…ううん、轟くんは悪くないよ……私が、変な勘違いしたから………でも、これからも仲良くしてほしい!友達として………」
「いや、待て。」
「?」
「俺は別に諦めようとしてねぇぞ。」
「え!?」
「楠目は俺のこと友達としか思ってないとしても、俺はお前のこと女として好きだし、」
「っ、ひ…っ…」
「おい、怯えるな。傷つく。」
「…いや、怯えてはない…けど、なんで私なの!?」
「楠目だから。」
「な、なにそれ……どんな理由……?」
「俺が楠目を好きな理由は、お前だから。それだけじゃ理由にならないか?」
こてんと首を傾げる姿があざとくて、気が抜ける。「…もう〜〜〜」とがっくりと肩を下げれば、よくわかっていないような轟くんが相変わらず首を傾げたままだった。
「…そういう言葉、私に言ったって靡かないよ。」
お風呂セットを脇に抱えて、轟くんの顔に手を伸ばして頰を引っ張った。「…む。」と拗ねたような表情をする轟くんが可愛くて。
「…はは、ほっぺたやわらか……」
「楠目、」
目の前に影が落ちて、ふわりと腰を抱かれた。「なに!?」という時間もなく、ちゅ、と可愛らしい音を立てて額に降ってきたのは柔らかい唇だった。
「……俺だって男だ。気軽にそういうことするな。」
「……………」
「俺はお前のことが好きなんだからな。わかったか?」
「…………ひゃい…」
「お前に、俺を好きになってもらうように頑張る。」
いや、頑張らなくてもいいですけど…………。
イケメン、恐ろしや。
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きよりん(プロフ) - とても面白いです!続きがすごく気になります!! 最後のこはねのはなし がありますよね?あれを"こねた"と読み間違えて、何を捏ねたのかな?と思いました(笑) (2018年8月23日 0時) (レス) id: 5f1549994e (このIDを非表示/違反報告)
鈴木美妃(プロフ) - ファンになりました。早く続きが読みたいです。これからも更新楽しみにしてます。頑張って下さい。応援します。 (2018年8月22日 23時) (レス) id: 07de0b9a74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こはね | 作成日時:2018年8月22日 22時