検索窓
今日:1 hit、昨日:4 hit、合計:35,674 hit

○11 ページ13








再び笑い出した轟くんに、緊張の糸が切れて、無意識に止めていたらしい息がやっとできるようになる。…じゃあ、初めから轟くんは気づいてたってこと?



「俺こそごめんな。強引に付き合わせちまって。」


「…ううん、轟くんは悪くないよ……私が、変な勘違いしたから………でも、これからも仲良くしてほしい!友達として………」


「いや、待て。」


「?」


「俺は別に諦めようとしてねぇぞ。」


「え!?」


「楠目は俺のこと友達としか思ってないとしても、俺はお前のこと女として好きだし、」


「っ、ひ…っ…」


「おい、怯えるな。傷つく。」


「…いや、怯えてはない…けど、なんで私なの!?」


「楠目だから。」


「な、なにそれ……どんな理由……?」


「俺が楠目を好きな理由は、お前だから。それだけじゃ理由にならないか?」



こてんと首を傾げる姿があざとくて、気が抜ける。「…もう〜〜〜」とがっくりと肩を下げれば、よくわかっていないような轟くんが相変わらず首を傾げたままだった。



「…そういう言葉、私に言ったって靡かないよ。」



お風呂セットを脇に抱えて、轟くんの顔に手を伸ばして頰を引っ張った。「…む。」と拗ねたような表情をする轟くんが可愛くて。



「…はは、ほっぺたやわらか……」


「楠目、」



目の前に影が落ちて、ふわりと腰を抱かれた。「なに!?」という時間もなく、ちゅ、と可愛らしい音を立てて額に降ってきたのは柔らかい唇だった。



「……俺だって男だ。気軽にそういうことするな。」


「……………」


「俺はお前のことが好きなんだからな。わかったか?」


「…………ひゃい…」



「お前に、俺を好きになってもらうように頑張る。」



いや、頑張らなくてもいいですけど…………。

イケメン、恐ろしや。

○12→←○10



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (35 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
77人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

きよりん(プロフ) - とても面白いです!続きがすごく気になります!! 最後のこはねのはなし がありますよね?あれを"こねた"と読み間違えて、何を捏ねたのかな?と思いました(笑) (2018年8月23日 0時) (レス) id: 5f1549994e (このIDを非表示/違反報告)
鈴木美妃(プロフ) - ファンになりました。早く続きが読みたいです。これからも更新楽しみにしてます。頑張って下さい。応援します。 (2018年8月22日 23時) (レス) id: 07de0b9a74 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:こはね | 作成日時:2018年8月22日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。