【刀剣乱舞】人間不信の富田江【江派】

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審神者 (煌斗) side




夏至の本丸。

とある本丸の審神者である私に届いたのは、なんとも腹立たしい、悲しい報せと、一つのお願いだった。





こんのすけ ｢そんな………｣


外で蛍が飛び交う真夜中の本丸。
障子から透けるブルーライトの光が目立つ一室。







こんのすけ ｢審神者様……｣


煌斗 ｢……ブラック本丸ですね。｣









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私はこんのすけと、政府直々に送られてきた資料を拝見する。無機質に並べられた文字と共に、何枚かの写真も送られてきた。

逮捕された審神者の顔。ボロボロになった本丸。
障子が破れ、血で赤く汚れた部屋。
無造作にブルーシートに並べられた折れた刀剣。
審神者が逮捕された直前の写真まで。

ブラック本丸の写真は、見るに堪えないものだった。





煌斗｢ん？｣


こんのすけ ｢どうされました？｣


煌斗 ｢いえ、この写真……｣


審神者が逮捕された直前の写真に、見覚えのない一振の刀が写っている。

真っ白の髪に黒い目。
白肌はやつれ、血に汚れている。

元は本丸の一部であった瓦礫の隙間から、
カメラの方を覗いていた。




こんのすけ ｢この刀が引き取り依頼が出されている、
富田江という刀ですよ｣


煌斗 ｢この刀が……｣


一年前、一振限定という如何にも珍しい形で、
実装された ｢富田江｣ 。
後からわかったことだが、この刀の刀剣男士としての実力の実験だったとのこと。

自分は他の仕事が忙しい時期で、鍛刀はしなかった。
まさかこんなブラック本丸に渡ってしまったとは…





こんのすけ ｢引き取りを依頼が出されているのはこの富田江のみ。それはつまり、この本丸で折れていないのは、富田江だけだという事です…｣


煌斗 ｢そんな……｣



折れた刀剣の写真。
そこには少なくとも、三十の折れた刀がある。
写真外にも、収まりきれないほどの刀が折れている。









こんのすけ ｢……審神者様｣


煌斗 ｢ええ、救いましょう。必ず。｣





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