青春の1ページ (ページ4)

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「定番だけど南山タワーとかいいかなって思うんだけど、どう思う？」

シャーペンをくるくる回す少しゴツゴツした手、

血管がうっすら浮きでてる腕、

話す度に動く喉仏、

いつもよりずっと近くにいるジョンデくんに男の子らしさを感じてドキマギする。

「ふっ、Aちゃん聞いてる？」

『あ、うん…ごめんね。聞いてるよ。』

運悪くくじ引きで決まった遠足の実行委員になった私とジョンデくん。

ジョンデどんまーい、なんて声を軽くあしらって私の前にやってきたジョンデくん。

"よろしくね、Aちゃん"

なんて口角を上げて優しく微笑むからむず痒くてその場から飛び出したくなった。

「でも南山タワーなんて行ったらカップルがイチャイチャして南京錠かけるんだろうな～」

リア充滅びてしまえ、なんて消しゴムのカスをポイポイ飛ばしてる子供っぽいジョンデくんに

心がポカポカ暖かくなる。

『…ふふふ、』

あ、しまった…！

ジョンデくんが可愛すぎて、思わず、、

心の中で笑うつもりだったのに。

ジョンデくんは私の笑った声にパッと反応して私の方に顔を向ける。

数秒間目が合って、机に視線を落としてふっとジョンデくんは微笑む。

今度は前を向いたと思ったら、わさわさーって犬みたいに頭を振るちょっとよく分かんないジョンデくん。

「同じクラスになってもう何ヶ月も経つけどAちゃんの笑った顔、初めて見た」

『えっ、』

シャーペンをカチカチやってる手を止めて、またジョンデくんと目が合う。

「Aちゃんの笑顔、すっごい可愛いね」

ジョンデくんの言葉にかぁっと顔が熱くなる。

赤くなった顔を見られたくなくて咄嗟に紙に視線を移す。

そんな事なんともなしに言ったんだろうけど、またひとつジョンデくんへの好きが増えた。