Tempo Rubato ページ15
個人スケジュールが終わって、事務所を出るとクラクションが鳴った。
顔を上げると道路に停まっていた外車の運転席にいたのはうちのリーダーだった。
『何してるの』
近づいて開けられた助手席の窓から覗き込んだ。
「暇？」
『なんで？』
「デートのお誘い」
どうぞ、と助手席の扉が開けられて仕方なく乗り込んだ。
「久しぶりじゃない？こんな風に2人でって」
『そうだね。クプスオッパと2人は』
どこに向かっているのか分からないまま車を走らせる彼の運転姿を横目でチラリと見た。
多分カラットは彼のこういう姿を見たら倒れちゃうんじゃないか。贔屓目無しに彼はかっこいい。
「何で急に来たか訊かないの？」
『なんとなく分かるから。説得しに来たの？』
「説得ってほどじゃないよ。お前が何を考えてるか聞きたくて。」
『……』
「固まってなくてもいい、お前が何を考えて、何が悩ませてるのか知りたいよ。リーダーとしてもだし1人の…兄としても。」
窓の外を流れる景色の方に視線を移して、窓に頭を預けた。
『別にSEVENTEENを辞めたいとか、皆の事が嫌になったとかじゃないんだよ。もちろんね。』
あれから数回話し合いをして、本当に少しずつ時間をかけながらメンバー達の意思が一つの場所に集まりつつある中で私は1人、スタートラインの後ろに立ち尽くしている。
『ただ、私がこのままグループにいて出来ることはなんだろうとか………存在意義とか…0から1を…生み出せないのにそういうことを考えてると、今がキリが良いのかな、とかさ』
「……存在意義、お前昔からそういうよな」
『私デビューしてからの5年振り返ってみると、何してきたかなって。皆の中に女がいるっていう要素をプラスに変えられるほど何かを成し遂げられたかな。』
赤信号で車が止まる。
『私は、皆と同じレベルもしくはそれ以上の歌とダンスをして漸くスタートラインに立てるの。プラスαで何かをグループに還元できないと、いる意味がない。』
「じゃあ聞くけどお前はこの今まで何もグループに還元してないと思ってるの？」
『ほぼしてないと感じてる。ウジみたいに全曲プロデュースしてるわけでもない、振付全部してるわけでもないし、スングァンみたいにバラエティにも出てない。私が今まで歌や振りを提供してきたのは別のアイドル達で。』
「……A」
「青だよ」と前を指すと青信号に変わっていて、慌ててオッパが車を発進させる。
『別にねそれでなんかすっごい落ち込むとかじゃないんだよ。ただだったら別にSEVENTEENでいる必要性なくない？とか思うじゃない。』
「…」
『よく分からない。皆のことが大切だから、簡単にポイって出来ない。当然だけど。
でも、自分を客観視した時に私はここにいてこれ以上何が出来るかな？って思っちゃう。
難しいよね。自分でももうよくわかんないんだ。』
よくわからないもう。自分の人生のことなのに丸投げしてしまいたい気分。
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なのこ5546(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いてます！今の展開が気になってハラハラドキドキでやばいです（笑）更新は大変だと思いますが頑張ってください応援しています！ (2023年1月4日 1時) (
レス) @page19 id: 88c8eec9ab (このIDを非表示/違反報告)
え - aaaのTwitterつぶやきで、CRAVITYとの絡み書いて欲しいです！！できればヒョンジュンでお願いします...！ (2022年12月26日 22時) (レス) @page12 id: d3ea50ec7c (このIDを非表示/違反報告)
RIN(プロフ) - えぴこさん» 嬉しいです！こちらこそ楽しんでいただいてありがとうございます…！ (2022年12月20日 20時) (レス) id: 459ebad9a2 (このIDを非表示/違反報告)
えぴこ(プロフ) - ハルちゃんのお話すごく好きなので今回のお話すごく嬉しいです(^ ^)いつも楽しいお話ありがとうございます！ (2022年12月20日 16時) (レス) @page1 id: ccb2929b22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：RIN
| 作成日時：2022年12月20日 11時
