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じゃあ、と通話を終えてスマホをデニムのポケットにしまって よし と立ち上がった。
飲み終えた空っぽのプラスチックをゴミ箱に捨ててまた川沿いを宿舎の方向に歩き出した。
ああ、ハニオッパあたりに気づかれたら「お前らなんかあった？」とか言われるんだろうな。
マンションに着いてエントランスを通ると見慣れた背中がエレベーターホールにあった。
『ジフナ、』
「おお、おかえり」
ふざけた柄のTシャツに同じハーフパンツにサンダル。コンビニ行ってたなとすぐ分かる服装。にしてもすごいなこの紫。
エレベーターが到着して扉が開くと、先に行けと手で扉を押さえてくれて、「ありがとー」と乗り込んで自分の階を押そうとした時後から乗ったジフンが押しかけた私の人差し指を掴んで、彼らが住む上の階のボタンを押した。
『ちょっと、』
「今出払ってるから8階でこれ食おう」
持っていた紙袋を覗き込むと中にはいくつものパン。私がよく行くカフェのもの。
『うわ，これ好きなやつ！食べたかった！』
顔を上げると思ったより近いその顔に無言になった。
「…」
『…』
「こっち見んな」
『なんかこうして考えると私なんかよりあんたの方が可愛いんだけど？』
「お前じゃなかったらぶん殴ってる」
前だったら"ぶっ飛ばすぞ"だったから少し変化した。
エレベーターが開いて、部屋の扉を開けると確かに静かで誰もいないようだった。
私とハルの部屋とは違う、大きいリビングに散らばる洋服。ああ、ハルが見たら怒りそうだなこれ。
全部軽く集めて、L字のソファの端っこに置いた。
「何飲む？」
『コーヒー淹れようか？』
「ん。じゃあ用意する。」
キッチンに立って、コーヒー豆が入ったスイッチを押す。
「大変だった？」
『何が？』
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作者名：RIN
| 作成日時：2022年6月12日 8時
