゜。*忘れな草～私を忘れないで。。。小さな恋の花～*。゜ (ページ2)

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゜。１話～貴方SIDE～。゜ページ2

―――――４月

雲一つないきれいな水色の空。
それと対照的な、薄紅色に色付いた桜の花びらが舞う。

出会いの季節です。

・・・さて・・・どうも皆さん。高井Aです・・・。
ただいま、私、とても緊張しております・・・！

えっと・・・説明遅れました；
私、高井Aは、今日から高校１年生となりました。
そして今、自己紹介タイムというものを実施中です！！

「～～中から来ました！趣味は～・・・・・・」

誰かが話す声を、心臓の音が掻き消し、
とても遠くから聞こえるような気がする。

自己紹介をしていたのは、私の前の席の人。
雰囲気からして、次は私・・・

どうしよう！？
何言えば―――・・・・・・

「はい。次の人―――」
『はっ・・・はいっ！』

緊張のあまり、勢いよく椅子から離れた。
がたん。という、音が静かな教室内に響いた。

幾つもの視線が、私へと向かう。

―――と、同時に「ぷっ」と、小馬鹿にしたような笑い声が起こる。

「・・・くすくす・・・」
「ぷっ・・・すごｗｗ」

口には出していないが、心のない態度に、顔が紅潮していくのがわかる。

『え・・・っと・・・そのっ・・・』

声が震える。

私のか細い声は、

『西中から来ました・・・その・・・高井Aでｓ―――

ガラッ

「遅れましたっっっ！！！！！！」

突如、教室内に響きわたる、ドアの開く音と共に入ってきた男の子の声にかき消された。