【獄都事変】獄卒になった少女の日記 (ページ6)

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翔は高校2年に、瞬は中学1年になった。

同じクラスになった人は、交流が今までほとんどなかった人ばかりだった。

すぐにクラスの中でグループができて、取り残された僕は一人でいることが多くなった。

そんな中でも、希望があったとしたら、通っていた学校には怪談があって、花子さんがいたことと…毎日通う図書室の先生が優しかったことかな。

家に帰れば、嘘の笑顔で家族を騙さないと、壊れてしまいそうだった。

自分自身が。

この関係が。

満足しているのに、それ以上求めてしまったら、誰かに迷惑がかかる。

同じ頃、毎晩同じ夢を見るようになった。

赤いものが流れ出てくる大破した車、

飛び降りた人間の潰れた体、

葉っぱを狂った様に吸って動かなくなった人。

狂った交差点で、

血で染まった黒いパーカーの人が、

『僕と一緒に行こう。

きっと楽しいことがたくさんあるから。』

って、僕を誘うんだ。

顔は思い出せないのに、血で染まった黒いパーカーが、頭に残って離れない。

あの人は誰だっけ。

　ーーーーーーーーー

　ガタンッ

佐「これ…ちょっとAのところに行って来ないと、」

斬「落ち着け、佐疫。」

佐「でも、」

田「…焦って答えを急いでも、何も得られねぇ。座れ。」

佐「っ…」

木「このままだとまずいかもね…」

平「ん？なんでだ？」

谷「Aは今、獄卒だ。もしやつがあいつの魂を連れていけば、やつがAの体を使って悪さをしても、捕まえようがない。」

抹「すぐに傷が治っちゃうからね…」

　バタンッ

皆「！？」

貴「はぁ…はぁ…はぁ…日記…見たの…？」

木「Aちゃん…えっと…「たす…け…て…」！」

赤い顔で木舌の部屋に駆け込んで来たAは、そう呟いて木舌の腕に倒れた。