2話 …え？ ページ4
『…あ、来た。』
出ない声で、独り言の様に言った。
水の入ったペットポトルだ。
私はそれを取ると、キャップを開け、少し飲んだ。
これで声が出せる。そして、
『あ…そういえばもう一週間経ってるんだ…』
水の隣に置いてあった１つのクロワッサンを食べる。
ここでは、水が三日に一回来るのに、食料は一週間に一回だ。
なんでこんな少ないかは、私でもわからない。
おおかた、私を見て楽しんでいるのか、ただ面倒なのだろう。
出来るだけ人が死なない程度に、食料や水は来る。
主人らしいやり方だ。
クロワッサンを食べ終えたその時、丁度部屋の扉が開いた。
《さっさと食ってこれをやっておけ。明日の朝までに仕上げておけ》
と言ってノートパソコンを私の前に置く。
『…計画書の作成で宜しいですね？』
《ああ。…ついでに他のファイルにあるやつもやっておけ》
それだけ言って、主人は部屋を出て行った。
…休む時間もなし…か…
と心の中で呟きながら、ノートパソコンに目をやる。カタカタという音だけが室内に響く
ざっと内容を読み、主人の書いたメモを見る。
そして計画書を作って行く。
１つの計画書に対し、20分弱で終わらせる
…時間が余った…
恐らく主人は、こうなることをわかっていたのだろう。
他のファイルも見て、同じ様に次々と計画書を作っていく。
…全て終わった…
ファイルが10個以上あったのは驚いたが、なんとかこなせてよかった。
ノートパソコンをいつもの様に私の前に置き、
時計を見る。夜中の4時だ。
次に主人が来るのは、4時半頃。
30分か…目でも閉じていよう。
私は眠れない。
今まで、徹夜などをしていて、眠らない事が日常になっていた。
1番の理由は、寝ても昔の夢を見て、すぐに起きるからだった。
寝ないことを繰り返しているうちに、最初はあったクマも、だんだん消えて行った。
寝なさすぎたのだろう。
ーードアの開く音がした。
私は咄嗟に顔を上げる。
《計画書は…出来たな？》
『はい』
主人に向かって立ち、ノートパソコンを言われたファイルを映した状態で渡した。
主人がそれを確認する。
《よくやった》
その一言だけを言って、主人はノートパソコンを持ち部屋を出た…筈だった
部屋を出る寸前のところで止まり、こちらを向いた。
《お前は今日中でここを出て貰う》
『……え？それは…どういう…？』
《質問なら後でだ。それより俺が支度をする間に朝食を作っておけ》
『は…はい。かしこまりました』
ラッキーカラー
あずきいろ
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沙耶香 - あの、まだ途中までしか読んで無いんですけど勘九郎さんの名字水度坂ですよ？ でも面白いので更新頑張ってください！ (2018年6月23日 22時) (
レス) id: 4038676c9e (このIDを非表示/違反報告)
夜菜 - 凄く面白いです！！これからも頑張って下さい（K・K） (2018年5月8日 23時) (レス) id: b693518974 (このIDを非表示/違反報告)
天竜氷華 - 続き楽しみです！頑張って下さい！ (2017年10月15日 11時) (レス) id: 679ef415fd (このIDを非表示/違反報告)
氷空竜 - 幽☆遊☆白書の雪菜ちゃんみたいですね！楽しみです！ (2017年10月11日 19時) (レス) id: 679ef415fd (このIDを非表示/違反報告)
作者 - ((((；ﾟДﾟ)))))士門編3、書き換えます (2017年8月28日 12時) (レス) id: 8fd261922c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：十夜 | 作成日時：2017年4月2日 0時
