10話 恐怖 ページ13
ギリギリのところで、話題を変えることができた。
相手は不愉快に思うが…身体中の痣を見られ、質問責めにあい、御主人に迷惑はかけたくないのだ。
男性な服装を見ると、おそらく陰陽師の類だろう。
勘九郎「僕は、陰陽師十二天将青龍、水度坂勘九郎ス。」
すばる「うちは同じく陰陽師十二天将天后、御幣島すばるや」
十二天将…?まぁいいや。陰陽師なのは合っていた。
『では、水度坂様、御幣島様。少々質問があるのですが』
「「?」」
『此処からは出られるのですか?』
私の予想だと、此処は元々いたところと違うところ、つまり異次元のような場所だと考えている。
それに、この2人が此処にいるのを見ると、恐らく此処に入ってきている。
服装が狩衣だからだ。
だったら、此処の出方を知っていると思った。
勘九郎「あぁ、出られるスよ」
『分かりました。少し、待っていただけますか?すぐに戻ります。』
すばる「ええけど…」
私は一礼してから、あの女の子の元へと走った。
タタタ…
勘九郎「よくあんなに走れるスね…」
すばる「なぁ、怪我しとんのに」
勘九郎「追いかける…スか?」
すばる「…そうやな」
女の子のバリアが張ってあるであろう位置につき、眼を強化させる。バリアを張ると、私にも見えなくなるのだ。
『…!』
女の子はいた。でも…体育座りをして、小さくなって、泣いていた。
今にも消え入りそうな声で
「おとう…さん…ヒック…おかあ…さん…」
私が闘っている間、ずっとこの状態だったのだろうか。
バリアを解き、ゆっくりとしゃがんで女の子と目線を合わせる。
「お姉…ちゃん…?」
『終わったよ。お父さんとお母さんに会える。帰れるよ。』
私は優しく女の子に言った。
「う…うわぁぁぁぁん!」
何かの糸が切れたように、女の子は私に抱きつく。
『…大丈夫だから…ね。』
しばらくの間その子の背中をさする
女の子はようやく泣き止み、『帰ろう』と立つように促すが、女の子は
「…たてない」
『腰が…抜けたのかな…?』
「わかんない」
『そっか…ほら。乗って?』
自分の背中を見せ、おんぶを促す。
「…うん」
女の子が私を掴んでいる手は、少し強く感じられ、まだ不安が残っていることが分かった。
あの2人がいた所に戻らなければ、と周りを見渡すと、なぜかすぐ近くにあの2人がいた。
勘九郎「…その子は?」
『私と一緒に此処に飛ばされた子です』
「お姉ちゃん、この人たちは…?」
『…陰陽師の方々ですよ』
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沙耶香 - あの、まだ途中までしか読んで無いんですけど勘九郎さんの名字水度坂ですよ? でも面白いので更新頑張ってください! (2018年6月23日 22時) (レス) id: 4038676c9e (このIDを非表示/違反報告)
夜菜 - 凄く面白いです!!これからも頑張って下さい(K・K) (2018年5月8日 23時) (レス) id: b693518974 (このIDを非表示/違反報告)
天竜氷華 - 続き楽しみです!頑張って下さい! (2017年10月15日 11時) (レス) id: 679ef415fd (このIDを非表示/違反報告)
氷空竜 - 幽☆遊☆白書の雪菜ちゃんみたいですね!楽しみです! (2017年10月11日 19時) (レス) id: 679ef415fd (このIDを非表示/違反報告)
作者 - ((((;゚Д゚)))))士門編3、書き換えます (2017年8月28日 12時) (レス) id: 8fd261922c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:十夜 | 作成日時:2017年4月2日 0時