理事長の娘は…４

１６９話 ページ31

學峯「内容はともかく、今夜は家に泊まってください。何かあってからでは遅いのでね。……白虎にはご飯をあげましたよね？」



學峯は風呂上がりにもう一度如月と先程の紙について話し、如月に家に泊まるよう促す



如月「ん？あぁ……」



學峯「では、何時もの部屋を使ってください。明日は警視庁まで送ってあげますよ」




如月「……何で俺の行き先まで分かるんだ？」



學峯「警察関係の方とお会いするだけなら何処でも良いですが、恐らく上村さんの事を話すのでしょう。加えてその紙を渡すのですから警視庁だと判断しましたよ」



如月「本当すげぇな……」



學峯「そろそろ私も寝室に行きますね。」



學峯が再び寝室へ向かうと如月は一階の戸締りをして如月の部屋と化している部屋に入った





如月「……アイツで良いよな………」




如月は誰かに電話をかける





如月「……あ、もしもし？」




『お前か……久々に早くに寝れるんだ。要件を早く言ってくれるか』






如月「ちょっと頼みがあって……俺が今担当してる中学三年生の女の子なんだけど、狙われてんだよ」




『……冗談はよせって言ったよな』





如月「いやマジなんだって……その女の子の前の担当医が今その子狙ってて……結構ヤバい奴なんだよ……覚えてるだろ？９年前の拉致及び殺人未遂で捕まった上村って奴」





『……お前が関わってた奴か……少女の捜索に』





如月「そう、で、その時の少女がまた狙われてるんだよ」





『で？俺に何をしろと』





如月「まだ何もしなくて良い。…………ただ、もし何かあったら助けて欲しいんだ。今はあの子を守る人間が１人でも多く必要なんだよ」





『成程…。その女の子の写真とかないのか？守るとなれば顔を認識しておかないと』





如月「一切変わってないから一目で分かる。それに喉をやられてるから上手に話しにくいってのもあるしな」




『５歳だった子がそのまま成長したとでも言うのか？流石に女性らしくなっているだろう？』





如月「いや、これが本当に不思議なくらい幼い顔のまま育ったんだよ。見せてやりたいんだけど優が写真撮られるの嫌いだから無いんだよ……」





『……切る』





如月「え？ちょ、待って待って！これから優の良さを教えてやるって……………………切りやがった」


如月の話が長くなると察した電話の相手は直ぐに通話を終了した


如月は安心したように静かに就寝した

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