理事長の娘は… (ページ38)

今日:41 hit、昨日:26 hit、合計:850,313 hit

３７話ページ38

學峯「はい、お水ですよ」

一階に降りて食卓の椅子に座って待っていた優にお水を飲ませて二階に戻った

學峯「優、おいで」

學峯は優を自分の寝室へと連れて行き、ベッドに寝かせた

學峯「今日は私と寝ましょうか」

優「……うん……」

學峯「電気、消しますよ」

電気を消して學峯は優の隣に入った

優「ｯパパ……」

學峯「ん？どうしました？」

優「暗、い…………怖、い……ヤ、ダ……！」

優は真っ暗になったのが怖く、震えていた

學峯「大丈夫、大丈夫」

學峯が手を繋いで優の恐怖を和らげた

學峯「私がいますよ、優」

優「……う、ん」

學峯「寝ますね。おやすみなさい」

學峯はそう言ったが、優が寝るまでずっと優の手を離さなかった

學峯「……寝ましたか……」

優が寝ると學峯は布団をしっかりと被せて自分も眠りについた

學峯はその日の夜、昔の出来事の夢を見た

ある山の麓(ふもと)で大勢の人が緊迫した空気の元で動いていた

大雨にも関わらず、傘をささず、テントを複数たてて何かの作戦を立てているようだった

『ｯ！！～～……ｯ！！！』

『～～～～です！～を～～～ですよ！』

顔が強ばっている學峯が山をかけ登ろうとした

が、すぐにそれを止められた

急に場面が暗くなり、景色が変わった

そこには病院で眠っている優

だが、ただ寝ているだけではなかった

あらゆる箇所に包帯が巻かれており、点滴もされていた

『……～～～～』

、

學峯「ｯ……！…………夢……でしたか……」

ハッとなり目を覚ますとそれが夢だったことに気付く

時刻はまだ４時半

だが、學峯にとっては起床する時間

ベッドから降り、優の頭を撫でると身なりを整えるために、洗面所へ向かい、顔を洗った

スーツに着替え、自分の分の朝食とコーヒーを準備して、新聞を読み始めた