理事長の娘は… (ページ33)

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３２話ページ33

歩き始めて暫くすると如月が声を発した

如月「ちょちょちょ！！！待って待って！」

裏門の前で荷物を両手に走ってやって来た

如月「優！俺と手を繋ぐ約束は！？」

優「…………あ」

忘れていたのか優は「ごめ、なさい」と謝っていた

学秀「先生、いい大人がそんな約束するもんじゃないですよ」

如月「別にいいじゃん！」

学秀と繋いでいた手を離して優は如月の手を軽く握った

如月「おし！帰ろうぜ！」

優と手を繋いで嬉しくなったのか笑顔で帰り道を歩き始めた如月

学秀はそんな如月に少しため息をつくと優の後ろを歩き始めた

如月「疲れたら言えよ？おんぶしてやっから」

優「う、ん」

まだ春のため、日が落ちるのが早く、太陽が沈み始め、辺りはオレンジ色に染まっていた

如月「学秀君最近どう？」

学秀「どう、とは？」

如月「勉強とか私生活とか」

学秀「あまり変わりはありませんが…………」

如月「ふぅん……休みはやっぱ勉強？」

学秀「ずっとと言うわけではないですが……勉強が終わったら優と寛いでますね」

如月「へぇ、何してるんだ？」

学秀「話をしたり軽くゲームで遊んだり……あとは優に勉強教えたりですかね」

如月「いーなー！！俺も優と遊びたいなー！」

如月は優の手を少し強く握りなおした

優「……？」

如月「優～！」

優「っわ……！」

如月は急に優を抱き上げた

優「……ｯせ、せ……！」

学秀「如月先生、優が怖がってます……！降ろしてやってください……！」

抱き上げられた優は怖かったのか少し涙目になっていた

如月「あぁぁ！！すまんすまん！直ぐ降ろすから泣くな泣くな！」

優「ｯﾋｸ……ﾋｯｸ……こわ、い」

すぐに降ろして貰った優だが急な事に驚き我慢していた涙が零れ始めた

如月「学秀君！どうしよう！」

学秀「……大人が何泣かせてるんですか。…………優、おいで」

学秀は泣いてる優を慰めるべく、目線を合わせるように屈み、優と目を合わせた