理事長の娘は… (ページ32)

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３１話ページ32

優と如月だけがいる教室から聞こえるのはパソコンの音

如月「……もう３時半か」

仕事を始めて既に３時間が経過していたことにようやく気付いた如月

如月「……まだ寝てるか、そろそろ起こさねぇと」

パソコンをしまい、優をゆすって起こした

如月「おーい、起きろ～」

優「……ん……」

如月「優、起きとかねぇと夜寝れなくなるぞ？」

優「……眠、い」

如月「駄目駄目、起きろ～？学秀君呼ばねぇぞ？」

如月がそう言うと優は少し考えた後、ハッとして起き上がった

優「……起き、る」

如月「おう！そんじゃ少しだけ待てるか？学秀君呼んできてやっから！」

スマホを確認した後

優は首を横に振った

如月「え、どうしてだ？」

如月は優が頷かなかったのに心配になり理由を聞いた

優「おに、ちゃ……来る、て」

如月「え！？」

スマホを取り出し、LINEを開いて見せた

そこには『一緒に帰ろう』という文章が

如月「まじか！！つーか学秀君今ＨＲじゃねぇの！？」

優「……終わ、てる」

如月「ふぅん……じゃあもう直ぐ来るのk「優？いるか？」……早くね……？」

ｶﾞﾗﾗ

扉が開くとそこには学秀の姿があった

優「おに、ちゃ……！」

ﾄﾄﾄっと走り、学秀の前にまで行った

学秀「父さんから此処にいるって聞いた。如月先生ともう1人が優に勉強教えるって……けど如月先生しかいないようだな……」

優の頭を撫でながら学秀は言った

如月「あー、もう1人なら用事思い出して帰ったぞ？」

学秀「そうですか……優、帰ろうか」

優の鞄を取り、教室から出ようとすると

優「せ、せも、一緒、に……」

と、控えめな声で聞いた

学秀「如月先生も？別にいいけど……」

学秀は「行こう」と言って優の手を取り、歩き出した

学秀「優、フードは被るかい？」

優「う、ん」

白いパーカーを着、帽子を深く被ると歩き出した