理事長の娘は… (ページ2)

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１話ページ2

ｺﾝｺﾝ

扉を叩く音が聞こえ、ベッドの膨らんでいる部分がﾓｿﾞｯと動いた

「優、起きなさい？朝ですよ？」

廊下から聞こえてきた声の主は浅野學峯

椚ヶ丘中学、高校の理事長である

朝６時半に起きてこない自分の娘を起こしに２階の奥の部屋の手前まで来てノックをしていた

學峯「優？起きたかい？」

ｺﾝｺﾝ

もう一度ノックをする學峯

すると中からﾀﾀﾀｯと足音がした

ｶﾞﾁｬ

優「お、おは…よう……パパ」

出てきた少女、浅野優は目を擦りながら父親、學峯に挨拶をした

學峯「おはよう、今日はちゃんと挨拶できたね、いい子だ(ﾆｺｯ」

微笑みながら優の頭を撫でる

優「パパ、の手……大好き…(ｴﾍﾍ」

學峯「そうかい？」

優「う、ん。」

學峯「それならまた後で撫でてあげようね、ほら顔を洗って制服に着替えておいで？」

學峯に促されるよう洗面所へ向かう優

途中、後ろに振り返り

優「……今日…も、パパ、と一緒、に居れる…？」

と恐る恐る聞いた

學峯「あぁ、もちろんだとも。ほら、顔を洗って？」

一緒に居れる、そう安心した優は頷いて顔を洗って、着替えた

そして一階へ降りてリビングへ

「優、おはよう」

優「あ、お兄ちゃん…おはよ、う…」

リビングで既に朝食をとりおわり、身なりを整えているのは優の双子の兄、浅野学秀

学秀「ん、挨拶できたな。ほら、こっちにおいで？制服が乱れてる」

手招きして優を自分の前に連れてきた学秀は優の襟を直して椅子に座らせた

学秀「頑張って食べなよ、分かったかい？」

優「が、ばる」

席についた優は箸を持って白米を一口、口にした

學峯「ご馳走さま。優、ゆっくり食べなさい。食事が終わったら車においで？」

先に食べていた學峯は優が食べ始めたのを確認し、朝食を終わらせた

そう言うと學峯は食器を片付けてリビングから出ていった