俺が助けたんねん【宮侑】 (ページ33)

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31話やでページ33

side侑

二人して泣きながら抱きしめ合って、やっと落ち着いてきた。あー、はっず。人前、しかも女の子の前で泣くとか絶対あいつらに言えんわ。Aちゃんはまだぐずぐず鼻を鳴らしている。･･･泣き顔見てみたいかも。てか、泣いとる女子ってどうやって慰めればええの？心の中でプチパニックになっとったら、モゾモゾとAちゃんが動いてこちらを見た。

『･･･たくさん泣いちゃった。絶対目が腫れてる。恥ずかしいね。』

恥ずかしそうにこちらを見て微笑むAちゃんを見たら、口が勝手に動いとった。

侑「好きや。」

『へ？』

侑「へ？」

俺今なんて言うた？見下ろしている顔が真っ赤になっていくのを見て、俺は自分が何を言ったのか理解した。理解すると同時に、俺の顔も真っ赤になった。と、思う。やってめっちゃ顔熱いもん。

『えっと、ありがとう。お友達としてだよね。嬉しいな。』

そう答えたAちゃんの顔は困ったような少し悲しそうな顔やった。そんな顔を見たら覚悟決めんわけにはいかんやろ。

侑「ちゃうよ。俺はAちゃんを恋愛的な意味で好きや。知り合ってまだ一ヶ月も経ってへんけど、それでも俺はAちゃんがどんな子かってのは他の奴らよりは知っとると思っとる。まだ知らんこともあると思うけど、それはこれから知っていきたい。なにより、これから先も俺がAちゃんのことを守っていきたいんや。な、俺じゃあかん？」

Aちゃんは俯いたまま話し出した。

『･･･私は、』

侑「ん？」

『可愛くないし、面白いことも言えない。宮君に守ってもらってばっかりで、私からは何も返せてない。宮君はとってもかっこいいから、私なんかじゃ不釣り合いだと思う。』

侑「そんなこと『でも、』え？」

『それでも、宮君の、あ、侑君の側にいてもいいですか？』

言い切ると同時にこちらを見たAちゃんの顔は涙で濡れていた。そんな顔も可愛くて、俺はAちゃんを抱きしめ直した。

侑「Aちゃんがええ。Aちゃんじゃないといやや。」

『侑君の邪魔にならない？』

侑「なるわけないやん。俺な、これからもバレー続けていくつもりやねん。」

『うん。』

侑「それを一番近くで応援しとってほしい。支えてほしい。もし、Aちゃんが何も返せてないって言うんやったら、この俺のお願い聞いてくれん。」

『っ、うん！』

嬉しそうに返事をしてくれたAちゃんの顔は、今までで一番の笑顔やった。