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11話やで ページ12

side侑

『み、みやくん?どうしたの?』

腕の中でAちゃんが身じろぐのがわかった。声からしてめっちゃ戸惑っているのも。実際、俺自身もなんでこんなことをしたのかわからん。でも、こうしなあかんというか、なんかそんな気分になったんや。

侑「よ〜しよ〜し。よお頑張ったなぁ。えらいえらい。」

考え始めたらなんか恥ずかしくなってきて少しふざけたように声をかけながら頭を撫でてやる。今さらやけど鍵閉めといてよかったな。この場面見られたら確実に俺の学生生活終わるやん。嫌や、バレーができんくなる。焦っていろんな事を考えとったら、Aちゃんが大人しくなっているのに気付いた。

侑「Aちゃん?黙るほど嫌やった?あ!まさか怖かった!?」

そうやん、今まで男に暴力ふられとったんやから怖いに決まっとるやん!なんで気付かんかったん、俺!?

『あ、いや、違くて、あの。』

侑「ど、どうしたん?」

『抱きしめられるって、安心するなって、思って。宮君はいっぱい初めてのことを教えてくれるね。』

侑「・・・・・・。」

え、俺どないしたらええの?どうするのが正解なん?誰か助けて!サム!今こそ双子の力の見せ所やで!俺のピンチを察してくれ!あかんやん!この教室のドア鍵閉めたの俺やん!

侑「え、えっと、嫌やない?」

『うん、大丈夫。』

侑「そ、そか。・・・なぁ、一個提案があるんやけど。」

『提案?』

侑「今日のこともあるし、もうあいつのとこ行くの嫌やろ?」

『うん。』

侑「やから、これからはずっと俺と居ればええやん。」

『やだ。』

侑「なんで!?そんな即答するほど嫌や!?」

『やだ。宮君の周りの女の子怖いもん。』

あー。あーーーーーー。なんで俺はモテるんや!まさかこんな所に障害があるとは!

侑「ほんまにあかん?俺と常に一緒に居れば、女子にも何もさせんし、あいつのとこにも行かんでええんよ?」

『だって、今は席隣だけど次は違うじゃん。』

うぅん、手強い。どうしたらええ・・・ん?

侑「ちょい待って?俺と一緒に居るのは嫌やないん?」

『宮君は大丈夫。いっぱい優しくしてくれたから。』

そーーーーーいうとこやで!!!!

侑「な、絶対俺が守るから、あかん?」

『うぅ、宮君にも、迷惑かかっちゃう。』

侑「迷惑になるわけないやん!俺が誘ってるんやから!」

『・・・・・・ほんとに?』

侑「おん。」

『・・・・・・・・・・・・・・・じゃあ、お願いします。』

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作者名:雨星 | 作成日時:2020年5月19日 0時

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