俺が助けたんねん【宮侑】 (ページ1)

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1話やでページ1

side侑

それはほんまに偶然やった。

パシン

朝練を終えて教室に向かっとったら聞こえた何かを叩く音。ただの好奇心やった。音のした方を覗きに行くと、男子生徒と女子生徒がいた。男子生徒は何かを喚いているが女子生徒は何も言わずに俯いているだけやった。

侑「(うわぁ、めんどいもん見てまったなぁ。たぶん殴られたのあの子やろうけど、女子なら俺が出て行くことで余計面倒なことになるかもしれへん。)」

どうしたもんか悩んでいると、もう一度男子生徒が手を振り上げるのが視界に入った。さすがに目の前でやられるのは気分が良くない。

侑「ちょいちょい何してんの？もうすぐSHR始まんで？」

「な、宮侑！？ちっ、今日の放課後いつもの所に来いよ。」

男子生徒は俺の顔を見ると舌打ちをして女子生徒に何か告げてから去って行った。去り際に俺を睨みながら。おぉ、こわこわ。

侑「なぁ、あんたもはよしんと遅れるで。」

そう言いながら覗き込んだ顔は、無だった。すべての感情を削ぎ落としたような、何も感じていない様な顔。さすがの俺も驚いた。

『ありがとうございます。すみません、ではこれで。』

その女子生徒は俺に一言礼を言うとそのまま去ろうとした。そこで俺は、何でかわからんけど、その子の腕を掴んどった。

『何？』

侑「え、あ、そ、その顔手当したるわ！」

自分でもなんでこんなことをしたのかわからないため、やけくそになって無理矢理その子を引っ張っとった。それが、俺とAの出会いやった。

作者デス✩
関西弁って難しいな～
どうしても地の文は標準語にひっぱられるな～
どうしたらいいのかな～