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セ「よし、完璧!!明日のライブ頑張るで!
今日はこれで部活終わり。お疲れー」
声を揃えて、お疲れ様でした。といえば、はよ帰りやー。なんて言いながら立ち去っていくセンラ先生の背を見送り、帰る用意を始めた。
明日は、毎月日曜日に行われる私達、軽音部が開催するライブ。
たくさんの人が来てくれて、その日だけは、体育館全てが私達の色に染め上げられる。
楽しくて、その瞬間は本当の自分でいられる気がした。
さ「A!帰ろー!」
『うん、帰ろっか!』
オレンジ色に染まった道路にポツリ二人の影がゆらゆらと揺れて、明日楽しみやな!なんて。
間違えたら駄目だよ?と少しいたずら気味に返せば、間違えへんし!といつものように意地を張って返してくる。
こんな会話が緊張を和らげてくれて、彼たちとなら成功できる気がすると、なんの根拠もないのに思えた。
結局、緊張で夜もまともに寝られなかった。
早くに目が覚めて学校に迎えば、同じ状況だったのだろうか。うらた先輩が目の前を歩いているのが目に入る。
ポンッと先輩の肩を叩くと、ビクッと肩を揺らしてこちらを向いた。
う「なんだ。Aじゃん。びっくりした」
『おはよーございます!先輩も寝れなかったんですか?』
う「緊張で目が冴えた」
『ですよね。…今日楽しみですね!』
う「頑張ろうな」
『はい!』
二人で学校に向かって、まだ開いていない正門をこっそりと開け、管理が緩いのかいつも開いている屋上へと足を踏み入れた。
しばらくボーッと空を見つめていると、後ろからベースの音が聞こえて、空気中を埋め尽くす。
う「練習、しよーぜ」
『…はい!』
彼のベースの音に合わせて歌ってみるけど何か足りなくて。
やっぱりみんな揃ってないと駄目なんだなあ。と歌いながら感じる。
セ「誰や!!…ってお前らしかおらんよな」
『あ、先生。おはようございます』
セ「熱心やな。もう部室に二人とも集まってんで。」
う「あっ、あいつらもう来たんだ。」
セ「みんな楽しみすぎて寝れんかってんて」
みんなお揃いですね。と笑えば、それにつられて先輩も先生も笑って緊張もスッと消えていった。
部室に戻って、何度かリハーサルを済まし、あと数分で本番。
ガヤガヤと体育館からも外からも聞こえてくる声を背にみんなで円陣を組んだ。
う「絶対成功させるぞ!!」
「「『おー!!!!』」」
いよいよライブの始まりだ。
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タシア松(プロフ) - ぽにょさん» ありがとうございます!!最高の褒め言葉です、 (2022年9月25日 20時) (レス) id: d89a5c0024 (このIDを非表示/違反報告)
ぽにょ - 1話1話見るごとにきゅんきゅんしてもう最高です_:(´ཀ`」 ∠): (2022年8月8日 18時) (レス) @page14 id: b0029b04cd (このIDを非表示/違反報告)
タシア松(プロフ) - 紫苑さん» コメントありがとうございます!すごい嬉しいです!!!ありがとうございます!!この作品を好きだと感じてもらえることができてよかったです! (2021年10月26日 6時) (レス) id: 63758ca099 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑 - な、な、な、なんだこの……神作者と神作品は!? (2021年10月26日 2時) (携帯から) (レス) id: d13b409c87 (このIDを非表示/違反報告)
タシア松(プロフ) - 乘肄さん» 最高のお言葉ありがとうございます!! 完璧にかけたのなら幸いです、これからも日々成長していけるよう頑張りますので、よろしくお願いします (2020年5月19日 22時) (レス) id: 73485a3048 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:タシア松 | 作成日時:2020年1月12日 23時