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『さようならー』
さ「ばいばーい」
スイーツを食べ終わって、最寄駅についた頃には、あたりはすっかり暗くなってしまっていて。
同じ方向の坂田と肩を並べて歩いた。
さ「今日、Aんち泊まっていい？」
『ん？どうしたの、またなんかあった？』
さ「いや、何もないけど、なんとなく。」
坂田の家は、お父さんとお兄ちゃんがいる。
男家族だからか大喧嘩をすることは、日常茶飯事らしく、気まずくなったときはよく私の家に泊まりたい。と言ってくるのだ。
『ちょっと、親に確認するね』
さ「ん。」
電話をかけると、すぐに出るお母さんはスマホ大好き星人なのか。と思いながら、坂田が泊まることを話すと、ちょっと嬉しそうに了承してくれた。
お母さんも坂田のことを気に入っているのか、実の息子のように可愛がる。
『いいって』
さ「ほんま!?っしゃ！
うわぁ、久しぶりやわぁ」
そう言いながら鼻歌を歌い出す彼に合わせて私も歌う。
暗い道路に二人の歌声が、アスファルトに溶けていった。
『ただいま』
さ「おじゃましまーす！」
母「坂田くん。久しぶり」
さ「お久しぶりです！突然でごめんなさい」
母「いいのよ。ほら、あがってあがって。」
行こっか、と微笑みかけて部屋へと入ると、坂田は私のベッドに飛び込んだ。
毎回の恒例行事といっても過言ではない。
部屋に入るなり、坂田は必ずベッドに飛び込む。
さ「Aの匂いするぅー」
『気持ち悪いこと言わないでよ…！
ほら、ベッドから出て』
さ「気持ち悪いとかひっど！」
ひどいなぁ、なんていいながら、身体を起こして、ベッドの上に枕を抱きしめながら座り込んだ。
さ「…あのな」
突然、真剣な顔をして真っ赤な瞳で私を捉える。普段、目を合わせないからか、それともこの瞳に吸い込まれそうになるのが怖いからか、彼と交じる視線を無意識に外した。
さ「１回しか言わんから聞いてな」
すぅー、はぁー、と大きく深呼吸をした彼は、ゆっくりと口を開いた。
さ「今日のA、めっちゃ可愛かった。」
言われ慣れない「可愛い」という言葉に過剰に反応して彼の顔を見ると、赤い髪と瞳に負けないくらい、頬を赤らめて枕で自分の顔を隠している坂田が可愛くて可愛くて。
わしゃわしゃ、と少し乱暴にサラサラな髪を撫でると、子ども扱いせんとって！なんて。
『坂田ありがとね』
そういった言葉に坂田は、小さくコクンっと頷いた。
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タシア松(プロフ) - ぽにょさん» ありがとうございます！！最高の褒め言葉です、 (2022年9月25日 20時) (
レス) id: d89a5c0024 (このIDを非表示/違反報告)
ぽにょ - 1話1話見るごとにきゅんきゅんしてもう最高です_:(´ཀ`」 ∠): (2022年8月8日 18時) (レス) @page14 id: b0029b04cd (このIDを非表示/違反報告)
タシア松(プロフ) - 紫苑さん» コメントありがとうございます！すごい嬉しいです！！！ありがとうございます！！この作品を好きだと感じてもらえることができてよかったです！ (2021年10月26日 6時) (レス) id: 63758ca099 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑 - な、な、な、なんだこの……神作者と神作品は！？ (2021年10月26日 2時) (携帯から) (レス) id: d13b409c87 (このIDを非表示/違反報告)
タシア松(プロフ) - 乘肄さん» 最高のお言葉ありがとうございます!! 完璧にかけたのなら幸いです、これからも日々成長していけるよう頑張りますので、よろしくお願いします (2020年5月19日 22時) (レス) id: 73485a3048 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：タシア松 | 作成日時：2020年1月12日 23時
