26 ページ27
『おじゃまします』
何度来ても慣れない豪邸。
適当なとこ座っとって、と言い残して部屋を出たセンラさんを確認して、ふぅ、と一息ついた。
そういえば、家帰ってないなぁ。なんて、1日いなかっただけなのに、あの落ち着いた空間が恋しくなる。
これが、ホームシックってやつなのか？
セ「はい、お待たせ」
コトっと置かれたのは、ホットココアで、湯気がふわふわと漂って、ほんのりとココアのいい香りが広がった。
セ「あっ、もしかして苦手やった？」
『いえ、むしろ好きです。
でも、不良でもこんな女子な飲み物飲むんですね』
セ「不良にどんな印象持っとんねんw」
『んー、ぶつかったら土に埋められそう』
セ「そんなことせんよwww」
私が知ってる不良は、まったく別の人種なのだろうか。
ぶつかったら土に埋められて、口答えしても土に埋められる。まぁ結局何をしても土に埋められそう。っていうイメージが強かったけど、彼らを見ていると、ホントは不良って優しい人が多いのかな。なんて。
ココアを少し口に含むと、甘すぎなくてちょっぴり大人な味がした。
身体が温かくなるとともに心も温かくなって、落ち着きを取り戻せた気がする
『…あの、そういえば』
セ「ん？」
『なんでマッサージなんかしてたんですか？』
セ「あー、なんかさとちゃん肩こりまくってたんよ。」
『そうだったんですか…。
私なんか、勘違いしてたみたいでごめんなさい』
セ「ええよ、こっちこそごめんな？」
いえいえ、こちらこそ。いや、こちらこそ。と、お互い謝り続けていると、ふと目があって自然と笑いが生まれた。
セ「てか、坂田とかになんかされんかった？」
『…えっ、あーっと…。』
セ「なんかされたんか！？」
『いや…フラレました』
セ「は？」
『告白して、フラレたんです』
セ「あ、Aちゃん坂田のこと好きやったんや」
どこか寂しげにそういうセンラさんに、大丈夫ですか？と聞くと、いつもの笑顔に戻って大丈夫大丈夫！なんて、まるで誤魔化すかのように微笑んだ。
『センラさん、何かあったら言ってください。
…もしかして、恋愛に嫌な過去があったとか』
セ「全然そんなんやないよ。ごめん、なんもない」
『そうですか…。』
セ「ただちょっと失恋しただけ」
あぁ、こういうとき鈍感に生まれたかったな。
鈍感ではない私には、その言葉の意味がはっきりと伝わって、ごめんなさい。と小さく呟いた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 421人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
タシア松(プロフ) - 紫苑さん» こちらにもコメントしていただいてホントに感謝しかないです、、。ゆっくり更新ですが、これからもよろしくお願いします (2021年10月26日 6時) (
レス) id: 63758ca099 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑 - ドソキでツボっちゃいましたWとても面白かったです！これからも面白い作品待ってます！ (2021年10月26日 1時) (携帯から) (レス) id: d13b409c87 (このIDを非表示/違反報告)
タシア松(プロフ) - ちょこまみれさん» ありがとうございます！ (2021年1月24日 13時) (レス) id: 2434cd9a85 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこまみれ(プロフ) - 素敵です (2021年1月24日 13時) (レス) id: 53f0e78d36 (このIDを非表示/違反報告)
タシア松(プロフ) - さとうさんさん» ハラハラできるようにかけていたなら良かったです…。少し自信がなかったので、。嬉しい褒め言葉本当にありがとうございます！これからも日々成長していけるよう頑張りますので、よろしくお願いします！！ (2020年3月29日 12時) (レス) id: 73485a3048 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：タシア松 | 作成日時：2019年12月21日 19時
