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さ「んぁぁ、わからへん…」
セ「ここ教えて」
勉強を始めてから1時間。
坂田さんはどうも集中力が続かないらしく、分からなかったらお絵かきということを繰り返して、彼のノートはお絵かき帳のようになっていた。
センラさんは、一生懸命勉強して、ノートのまとめ方もすごく上手い。
大事なところは赤で書いたり、色ペンで囲ったり、女子のまとめたノートといっても違和感を持たないほどだった。
『ほら、坂田さん頑張ってください!
えーっと、ここはね…』
坂田さんを励ましてから、センラさんの説明に取り掛かる。
彼のシャーペンを借りて、ノートの隅にカリカリと字を書いて説明をする。
わかった?と聞きながら、センラくんの顔を見ると、ばっちり目があった。
シーンと部屋が静まり返って、時計の音がうるさいほど耳に入ってくる。
『な…なんですか…』
セ「ん?いや可愛いなぁと思って」
『っ!そんなこと言ってないで説明聞いてください!!』
恥ずかしくなって、目をそらすとごめんごめん、とクスクス笑いながら謝ってきた。
チラッと坂田くんの方を見ると、すやすやと柔らかい寝息を立てながら、眠っている
『あっ、こら!坂田くん!起きてください!』
さ「んぁ…。あ、寝てた?」
『はい、ぐっすり』
さ「あぁぁ、もう勉強したないんやけど」
『休憩しますか?チョコレート持ってきたんですけど。』
そういうと、明らかに、ぱあぁぁと目をキラキラとさせる坂田さん。
食べよ!なんて騒ぐ坂田さんを横目にセンラさんは、はぁ、と溜め息をついた。
セ「まぁ1時間頑張ったし休憩しよか」
さ「っしゃぁ!!チョコレート!チョコレート!」
カバンからチョコレートを取り出し、机の上に置く。
勉強しているときの甘いものは、かなりいいらしい。
さ「いただきまーす!」
両手を頬に添えながら、美味しそうに食べる坂田さん。見ているだけで、癒やされてしまった。
二人のためのチョコレートだから、と私は食べずにいると、センラさんが食べへんの?なんて聞いてきた。
『お二人のためのチョコレートなので』
セ「はい、口開けて」
『いや!一人で食べれます!』
セ「こういうときは、甘えるのがええんよ。
はい、あーん」
恥ずかしくて、目を合わせないように口を開ける。
ころっと入ってきた一口サイズのチョコレートは、口の中で転がすと、ゆっくりと溶けていく。
甘いチョコレートは私の心を癒やしていった
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タシア松(プロフ) - 紫苑さん» こちらにもコメントしていただいてホントに感謝しかないです、、。ゆっくり更新ですが、これからもよろしくお願いします (2021年10月26日 6時) (レス) id: 63758ca099 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑 - ドソキでツボっちゃいましたWとても面白かったです!これからも面白い作品待ってます! (2021年10月26日 1時) (携帯から) (レス) id: d13b409c87 (このIDを非表示/違反報告)
タシア松(プロフ) - ちょこまみれさん» ありがとうございます! (2021年1月24日 13時) (レス) id: 2434cd9a85 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこまみれ(プロフ) - 素敵です (2021年1月24日 13時) (レス) id: 53f0e78d36 (このIDを非表示/違反報告)
タシア松(プロフ) - さとうさんさん» ハラハラできるようにかけていたなら良かったです…。少し自信がなかったので、。嬉しい褒め言葉本当にありがとうございます!これからも日々成長していけるよう頑張りますので、よろしくお願いします!! (2020年3月29日 12時) (レス) id: 73485a3048 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:タシア松 | 作成日時:2019年12月21日 19時