怪異の街 (ページ4)

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「ええと·····

昨日の夜中二時頃、近くの交番に駆け込んだ大学生が居てな。その子が言った事がなぁ」

紫耀が面白そうに笑って続ける。

「大学の音楽室からピアノの音がして、中を覗いたら黒い人と目が合ったって言ったんや」

·····

場に微妙な沈黙が満ちた。

紫耀から取り戻した柿ピーを食べる音が
大きく響く。

「·····なに、怪異課って学校の七不思議をも調べる事になった？仕事無さすぎて」

「超懐かしいわー、トイレの花子さんとか俺、夜中の学校行かなかったけど」

私と岸くんが的外れな答え方をする。

まぁ怪異が見える人が夜の学校なんて行ったら
色んなものが見えちゃうし。

·····屋上で飛び降りた人の霊とかね。

「·····それだけじゃないんやで！

その次の日、その大学生と肝試しをした2人が行方不明なんやって。

これだけあればもう、俺らの出番やろ？！」

紫耀は元々、怪異なんて信じていなかったのだが、ある事件で変わった。

捜査一課のエースとも呼ばれていたのに、こんな怪異課に配属を直談判したとか。

「·····えー？じゃあなにー？

私達もその夜の大学に行くの？」

行きたくないし岸くんに押し付けよう·····

夜の大学とか嫌な予感しかしない。

「それがなぁ、その大学生が言うには

最近色々と不思議な事が起きてたんやって」

ほへー。

じゃ、その大学自体が呪われてるんだわ。