僕らの世界 (ページ7)

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交点・1 ページ7

Z020年9月第3土曜日、午前10時。僕ー伊達凉馬ーは、学校の最寄り駅である柿沼駅にいた。しかし、別に今から学校に行くわけではない。
「明日、午前10時に柿沼駅集合」
「会わせたい人がいる」
昨日の夜、海斗からメールが来た。
しかし当の本人は待ち合わせ時間になっても来ない。いったい何をしてるんだ。
その時海斗からメールが送られてきた。
「あと10分待って」
あいつめ…

「ごめん、電車乗り遅れた」
「来いって言っといて遅刻かよ」
「スマンスマン」
「で、会わせたい人って？」
「多分もうこのへんにいる、ちょっと待ってて」
まだ待たせるのかよ…

「いたいた、紹介するよ。俺の友達」そう言って海斗が連れてきたのは、僕と同じくらいの背の男子。いかにも「スポーツやってます！」って感じのジャージを着ている。
「東海林隼です」相手は名乗った。
「伊達凉馬です、海斗に振り回されて大変でしょう」
「いえ、そちらこそ」
「何だよ、2人して俺のことけなしに来てんのか」
「海斗、何で東海林くんに会わせたかったんだ？」
「無視すんなよ…なんか東海林が渚学園に知り合いはいないのかって言ったから」
「え？どういうこと？」
「実は俺、人探しをしてるんだ」
「人探し？？」
「うん。小学生のとき一度会った人で、もう一回会いたくて夏休みから探してるんだ」
「へえ、それで僕に？どんな人？」
「青葉真帆って人」
…え？
「青葉？知り合いも何も、同じ同好会だよ」
「マジ？」
「マジ。今度会いたがってる人がいるって伝えとこうか？」
「ああ、そうしてくれると有難いよ」
とりあえず一段落。一瞬何のことかと思ったけど、青葉のことだったとは。
「もう終わり？せっかくここまで来たんだし、ちょっと遊んでかない？」海斗がここで口を挟む。
「お、いいじゃん」

後日、電話にて。
「…東海林くん、別に海斗経由で連絡してくれればよかったのに、わざわざ直接会ったのには何か理由あるの？」
「ショージでいいよ。海斗経由だと何かしらトラブるからね」
「なるほど…」