僕らの世界 (ページ6)

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ゆきどけページ6

「海斗、」
放課後、俺ー進藤海斗ーは誰かに呼びとめられた。振り向くとそこには、東海林がいた。俺の元ライバル。今はもう関わることがなく、もう2年話しかけていない。
「ちょっと、いい？」突然訪ねられた。
俺はこの後暇なので、
「別にいいけど」
とOKした。東海林はガッツポーズをしてから、「ついて来て」と言った。

俺たちは学校の空き教室に入った。南校舎4階、前は卓球部が使っていた。
「海斗、俺たちさ、前は仲良くしてたけど今はそんなでもないじゃん」
「おう」
「でさ、俺は思ったんだよ、やっぱ海斗がいたほうが楽しい」
「…そうか」
「だから話しかけたんだけど…海斗はどう？」
「俺は…いつか東海林にひどいこと言ったし…なんつーか、気まずくなりそうで避けてた」
「…ひどいこと…」
「俺、6年のとき、ライバル関係に疲れてさ、『暑苦しい』って東海林に言った。で、その後学校サボってばっかで東海林とのライバル関係も自然消滅させようとした」
「あぁ…」
「…ごめん、悪かったと思ってる」
「…おう、俺はあんまり気にしてないから」
「本当、ごめん」
「いいって」
「でさ、やっぱ俺も失って気付いた。東海林と友達でいたい」
「…ありがとう、海斗」
「？？」
俺はその「ありがとう」の意味がよく分からなかった。
「…」
「じゃ、そういうわけで今日からまた友達ってことで」
「…だな、んじゃ一緒に帰ろうぜ」
「オッケー」
こうして約2年の空白は終わり、また元の仲に戻り始めた。

「所で東海林、何でいきなり話しかけたわけ？」
「…心理テスト」
「え？何？」
「いや、やっぱ何でもない」
「何それ」
やっぱり、東海林と一緒にいるのは楽しい。長い長い冬は終わりを告げ、雪解け水が流れ始めたような月曜日だった。