2年B組にて ページ47
今日の2年B組は、文芸同好会のコーナーと化していた。机をレイアウトして、その上に本とポップを並べている。俺ー東海林隼ーは、凉馬のかわりに真帆と文芸同好会のコーナーの留守番をしながらその1つ1つを見て回っていた。
「何か気に入ったのあった?」
真帆が尋ねてきた。
「ああ、これ。数学と文学合わせるって斬新だと思った」
「それ、めっちゃ面白いよ、絶対読んだ方がいい」
そんな話をしていたら、前のドアから人が1人入ってきた。
黒いスーツの女性。ピンとした背筋が特徴の…
「学園長先生!こんにちは!」
「こんにちは」
先生は会釈をしてから俺に尋ねてきた。
「君が東海林くんですか?」
「はい、そうです」
「で、そっちが青葉さん?」
「はい」
「まさか2校合同開催を実現してくれるとはね。私も正直できるか心配だったけど、上手くいっているみたいですね。本当によかった。青葉さんもありがとう」
「いえ、先生方や他の文化部の協力があってこそ実現できたんです。こちらこそ本当にありがとうございます」
真帆は、「アピールするなら今がチャンスでしょ!」という目でこちらを見てきた。俺も何か言わねば。
「あの、こうやって他の学校と交流する機会をくださり、ありがとうございます」
「どういたしまして。でも交流するきっかけを作ったのは間違いなく東海林くんです」
「いやいや、俺はただ…」
「もっと胸を張っていいと思いますよ。渚学園と合同開催というアイデアを出したのは東海林くんなんだから、もっと誇りを持ってください」
「…はい、ありがとうございます!」
俺は、今日イチの元気な声で返事をした。
「はい。それではもうそろそろお暇します。ありがとう、頑張ってね」
「ありがとうございましたー!」
今日イチの元気な声をさらに更新。そして真帆とハモってちょっと笑っちゃった。
「よし、胸張って頑張ってくぞー!」
「あの、ショージ、もう片付け始めないと」
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:BLUE LEMON 綺 | 作成日時:2020年9月4日 20時