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開幕 ページ41

瀬戸くんの言った通り、だんだんと霧が止んできて、太陽が見え始めた。俺ー東海林隼ーは、門を入ってすぐの広場で空を見上げながら文化祭の開幕を迎えた。
「ショージ」
声をかけてきたのは、真帆。
「そろそろ開会式だよ」
「ああ、じゃあ準備始めるか」
俺は、この後の開会式でスピーチをする。2校合同開催が実現したことを嬉しく思います、みたいな話をする。
「襟、変じゃない?」
真帆に確認すると、乱れた部分を直してくれた。さすが女子、本当に気が利く。
「じゃ、頑張ってきて」
「おう」
俺は思いきりニカッと笑ってみせた。真帆も笑顔で返してくれた。


学園長先生の話の後、ついに俺の出番。正直、心臓が喉から飛び出そう。
「星が丘学園と渚学園の文化祭合同開催に尽力した、東海林隼くんによる挨拶です」
司会の人が俺を紹介して、俺は広場の真ん中に出る。

うわー、意外と人多い…

広場にはいつの間にか人だかりができている。ちゃんと言えるかな…

「…おはようございます」
俺の控えめな(悪く言うと元気のない)挨拶に、みんなは「おはようございまーす!!!」と、「!」が3つもつくような元気な挨拶を返してきた。
「僕は、サッカー部に所属しています。けれど、文化部を今より盛んにしたいと思っています。なぜなら、文化部は運動部より下、というイメージを持つ人が多いからです。部活に関わらず、僕らは平等でなくてはならないのです。それで、文化部も運動部に負けないくらい活性化したいと思い、親友の進藤くんと、渚学園の伊達くんと青葉さんに声をかけ、2校合同開催に向けたチームが発足しました。
そして今日、ついにそれが実現しました。本当に嬉しく思います。これは、文化部のみなさんに理解・協力をしていただいたおかげです。ありがとうございます。
では、2校合同文化祭、開幕です!」

話を終えた途端、大波のような拍手と黄色い歓声が響いた。その人だかりの中には、海斗も凉馬も真帆もいた。あー、終わった終わった…と達成感に浸りながら広場の端へよけた。

けど、文化祭はこれから。2日間、頑張ってこう!

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設定タグ:学園 , 友情 , 青春   
作品ジャンル:純文学, オリジナル作品
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作者名:BLUE LEMON 綺 | 作成日時:2020年9月4日 20時

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