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真相・3 ページ33

「ねえねえ、3人とも、放課後空いてる?」
私ー青葉真帆ーは、廊下で話をしている女子3人に声をかけた。
その理由はもちろん、この3人が海洋学部に嫌がらせをした犯人である可能性が高く、そのことについて話を聞き出すため。
「あたしはいいよ」と樹里。
「全然オッケー」
「どうせ暇だしね」
と、綾佳と新菜も続ける。
「てか、珍しいじゃん、まほりんがあたしたち誘うなんて。何かあったカンジー?」
この3人、大して仲良くもないのに普通に私のことを「まほりん」呼びする。別にいいけど。
「3人に会いたいって人がいるの」
「へー、誰?」
「1年生の子」
「ついにファンできたんじゃないの、あたしたち」
「やだー、髪型直さなきゃ」
「自分のサイン考えてなーい」
実際はそんな話じゃない、もっと重大な話だから。けどあえてここでは口に出さないでおいた。「名探偵ショージ」の見せ場を確保するために。
「じゃあ放課後3階の渡り廊下集合で」
「オッケー」
私は「部室棟3階で」と言おうとしたけど、怪しまれないようにその少し手前の渡り廊下を集合場所にした。うまくいくといいな…


「まほりーん、来たよー、用って何ー」
私が到着した時には、もう3人とも集まっていた。
「ちょっと集合場所変わってー、あっちだってー」
3人の口調に合わせて語尾を伸ばして喋りつつ、部室棟の方へ向かう。よし、いい感じ。
「3人はいつから仲良いのー?」
「えー、入学初日かなー。同じ小学校出身の人がいない余りものグループでさー…」
現場へ向かっていることを悟られないように話をして意識をそらし、海洋学部の部室前に到着。
「青葉先輩!」
扉を開けてひよっこり登場したのは、瀬戸くんと関くん。
「連れてきたよ」
「あざーす!」
「真帆、サンキュー。あとは俺に任せろ」
ショージももう来ていた。ハイタッチを交わしてから、ショージは3人の所へ。
「まほりん、この人誰」
「1年生?」
3人は私に文句を言ってくる。しかし「会わせたい人がいる」のは事実だし、「1年生の子」というのも瀬戸くんたちがいるから間違いではない。
「俺は東海林隼。真帆たちの依頼を受けて星が丘から来た。今日は3人に聞きたいことがあるんだ」
ショージは、図鑑を手に取り、淡々と話を続ける。
「昨日、この図鑑に落書きがあった。ほら、こんな風に」
「それとあたしたちと、何の関係があるの」
「俺たちはその犯人を探しているんだが…3人が犯人じゃないかという結論に至った」
「証拠は?」
「僕が3人のことを追跡しました。ここからバタバタと出てきて慌てて帰った所を目撃しました」

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作品ジャンル:純文学, オリジナル作品
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作者名:BLUE LEMON 綺 | 作成日時:2020年9月4日 20時

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