さあ、謎解きを始めよう ページ30
「おまたせ」
俺ー東海林隼ーは、渚学園の校門の前にいる真帆に声をかけた。
「あ、ショージ。わざわざありがとう」
「いや、今日は俺だけじゃないぞ」
俺の後ろから、海斗がひょっこり。
「あ、海斗!」
「ショージに外出ろって言われたから来た」
実は少し前に俺が海斗に電話をかけて、引っ張り出してきたのだ。そういえば、久しぶりに海斗の制服姿を見たような。
「じゃ、早速」
「真帆、」
「どしたの海斗?」
「凉馬は?」
「凉馬なら図書室にいる。案内するよ」
「マジ?ありがと」
「いいよ、こっちね」
図書室に寄り、俺たちは2人で部室棟へ向かった。
「部室棟、部屋の数は少ないんだな」
「そう、今はどこも空いてない」
「へー…」
そんな会話をしながら部室棟を進み、3階の西の端にある海洋学部の部室に到着。
「瀬戸くん、関くん、連れて来たよ」
「先輩!…と?」
「初めまして、星が丘の東海林隼です。君たちのことを助けに来ました」
「ショージは文化祭の渚学園参加のために色々やってくれてるの」
「へぇ〜、よろしくお願いします!」
「あ、君が瀬戸くんだろ。真帆から話聞いてから会いたいと思ってたんだ」
「そうなんですか?」
「ショージ、そろそろ始めよう」
「よし、任せろ!」
俺は、ずっと言いたかった台詞を言うならここだと思ったので口に出すことにした。
「さあ、謎解きを始めよう」
「…いきなり何」
「おい真帆、雰囲気ぶち壊すなよ!」
「これが手がかり?」
渡された紙切れには、海洋学部に対する要求と、数字が並べてあった。にしても、いきなり「立ち退きを要求する」とは。
「この数字は、送り主か何かか?」
「ああ、そうかも」
「ちょっと今思いついたのは、ガラケーなんだけど」
「え?ガラケー?」
「ああ」
俺はカバンのポケットからスマホを出した。
「あ、ここってスマホ使っていいの?」
「ダメ…だけど、先生来ないから大丈夫っちゃ大丈夫」
「まあいいや、絶対口外しないでくれ」
俺はメモのアプリを開き、入力方法を変え、数字の通りに文字を打っていった。
そうしてできた文章を見て、俺は顔をしかめた。
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作者名:BLUE LEMON 綺 | 作成日時:2020年9月4日 20時