手がかりはあるのか? ページ29
関、と呼ばれた人物は、私ー青葉真帆ーを見て口を開いた。
「航平、その人誰?」
「星が丘との外交担当の、青葉真帆先輩だ」
「ああ、そうなんですか。僕は海洋学部副部長の関創一です」
「よろしく」
眼鏡をかけた小柄な関くんは、私のことを見上げながら聞いてきた。
「あの、青葉先輩、このスプレー…」
「ああ、そうなの。今、手がかりを探してる所で」
「それなんですが、僕、ちょっと心当たりがあるんです」
「えっ?!」
「僕、今日この部室に1番に入ったんです」
「え?じゃあ今までどこに?」
「犯人らしき人を追跡してたんです。女子3人が部室の方から走ってきて、僕のこと見て『ヤバッ!』とか言ってたんです。で、部室はこのありさま。だからこっそり後をつけてたんですが、帰っちゃって」
「それは重要なヒントだね」
「それで、このスプレーを見て思ったんです。これ撒いたら、魚に影響出るんじゃないかって」
「ああ、そういう意味の嫌がらせ?」
私は、1年生だけで頑張っているのに可哀想だと思った。なんとかできないかな…
「あ、そうだ。こうしよう」
「何か思いついたんですか?」
「うん」
私は公衆電話がある方へ向かう。2人は、何が始まるのかといった様子でついてくる。
そして私は財布から10円玉を取り出し、電話をかける。
「もしもしショージ、真帆だけど。今ヒマ?」
2人は後ろでズッコケたけど、私は「何かありました?」といった表情で会話を続ける。
「うん、…うん、…分かった。じゃあね」
「ショージ、すぐ来るって」
「先輩、人任せですか!」
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作者名:BLUE LEMON 綺 | 作成日時:2020年9月4日 20時