僕らの世界 (ページ28)

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事件？！ページ28

「青葉先輩、助けてください！」
突然図書室の扉が開き、私ー青葉真帆ーは大声で名前を呼ばれた。声の主は、海洋学部部長の瀬戸航平。いつもは落ち着いているのに、今日はやたらと慌てている。
「何、どうかした？」
「とにかく見れば分かりますから来てください！」
「分かった分かった、落ち着いて」
私は凉馬に行ってくるね、と声をかけて図書室を後にした。

瀬戸くんについて行って到着したのは、部室棟3階、西の隅にある海洋学部の部室。
「これ、嫌がらせですかね…」
瀬戸くんは扉を開けて言った。
「うわ…」
私の目に飛び込んできたのは、大量のスプレーボトル。虫よけ、整髪用、スプレーアート用のカラフルなものなどなど、ざっと50本はある。
「…何でスプレー？？」
「さあ…分かりません。僕がここに入った時にはこうなってました」
「他に被害は？」
「ああ、この図鑑…」
瀬戸くんはテーブルの上の図鑑を手に取り、開く。
「写真のとこだけまっピンクになってます」
「えっ…何それ悪質…」
アジ、ブリ、サバ、全ての魚がピンクのスプレーで塗りたくられている。
「瀬戸くん、何か心当たりある？」
「いえ、全く」
「怪しい人物は見た？」
「いいえ、見てません」
「じゃあヒントはないのかな…」
私は部室を見回す。図鑑、筆記用具、熱帯魚の水槽…
「…ねえ瀬戸くん、」
「はい」
「あれは魚のエサ？」
私は水槽の横の、蓋つきのコップを指差す。
「そうです…ん？」
「蓋、半開きになってるよね？」
「はい、いつもはちゃんと閉めてるんですが」
「ちょっと開けてみて」
瀬戸くんは、蓋だけを持ち上げる。きちんと閉まっていなかったせいで、簡単に蓋が取れた。そして中から白い紙のようなものを取り出す。
「何だこれ…」
「どれ、見せて」

海洋学部の立ち退きを要求する
62 72 43 55 61 51 35" 55 23 91 63"

印刷された、一方的な要求と2桁の数字。暗号？？
「何コレ、どういうこと？立ち退きってひどくない？」
「というか、なぜうちの部を？」
ガチャ。
部室の扉が開けられた。
「部長！」
「おお、関！」