僕らの世界 (ページ22)

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孤独の城・1 ページ22

「またか…」
「そうなんだよ…」
Z020年11月、文化の日。俺ー東海林隼ーは、真帆と凉馬と、いつものファミレスで会議をしている。
「海斗、今何してんだろ…」
話題は海斗のことで持ちきり。。最近また登校していない。
「俺が電話してもダメだったから、凉馬、頼んだ」
「いや、それが…僕からかけても出ないんだ」
「マジ？凉馬でもダメなの？？」
「そしたら消去法で青葉しかいないじゃん」
「え、私？」
「どうだろ、真帆と海斗ってそんなに接点ないように見えるけど」
「うん、そんなにない。けど、実は家近いの」
「え、そうなのか？！」
「そ、うちから5分ぐらいの所に『進藤』って家あるし、駅でたまに会うから」
「それ、早く言えよ！」
「ごめんごめん」
「じゃあ…海斗んち、行ってみる？」
「え、アポどうする気なの…」
「アポ？んなもんいらないと思う、海斗だから」
凉馬、こんなテキトーなキャラだったっけ…？

ピンポーン。
インターフォンを押すと、しばらくしてドアが開く。出てきたのは、
「海斗！」
俺は思わずでかい声で言ってしまった。
「…どうしたの」
海斗は、黒いパーカーに黒いズボンという、地味な服装。俺が知ってる海斗はもっと派手な私服が多かったはずなのに。
「まあ入って」
そう言って海斗は俺たちを部屋に案内してくれた。

「どーぞ、入って」
案内されたのは、リビングの奥の部屋。防音室のような壁、少し散らかった楽譜、そして…
「楽器、いっぱいあるね」
「本当、すげーな…」
壁に沿ってずらりと並ぶたくさんの楽器。