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急げ! ページ16

やばい!やばい!時間がない!
俺ー東海林隼ーは今、めちゃくちゃ焦っている。なぜなら文化部において1年で最も重要なイベントが迫っているからだ!
そのイベントの名は「文化祭」。
しかし、多分大半の人が想像する文化祭とは違う。模擬店やお化け屋敷などはない。星が丘学園の文化祭とは、いわば研究発表会なのだ。そして文化祭は、文化部が活躍するチャンスであり、俺が活躍するチャンスなのだ!
文化の城を守るには、文化部や文化の城のよさを理解してもらうことが必要。たぶん学長先生も来る(…じゃなくて、正しくは『いらっしゃる』だね)から、学長先生の前でめちゃくちゃアピールすれば取り壊しを阻止できるかもしれない。
それに向けて、文化部は研究発表のための、俺はイメージアップのための準備に追われている。イメージアップのために何をするのかというと、ただ掃除など雑用をするのだ。数学部の資料の片付け、料理部のコンロの汚れ落とし、漫画研究会のボツ作品のゴミを捨てる、合唱部の部室のフロアを掃除…と、俺にできることは全てやるつもりだ。そして今日は、部室棟の入り口や廊下の清掃。入り口は文化祭の日には誰もが通る場所なので、とにかく綺麗にするべきだと思ったからだ。

ガラッ
入り口の近くの床の汚れを落としていると、突然入り口の扉が開けられた。
「すみません、掃除してるので閉めてもらえますか…って!」
俺は目を見張った。
「海斗?!」
久しぶりに登場したのは、俺の相棒だった。
「凉馬に言われて来た」
「海斗、どこ行ってたんだよ!」
「ちょっと色々あった」
「もう大丈夫なのか?」
海斗は少し考えてから言った。
「微妙…またしばらく来れないかも」
「そうか…」
「今日は大丈夫だから、掃除手伝うよ」
「ありがとう、じゃあよろしく」

ひと通り掃除を終えて今日は解散。
「ねえショージ、家でもできる活動ってある?」
帰り際、海斗に聞かれた。
「海斗、今大変なんだろ?無理するなよ」
「大丈夫」
「今のところ…特にないかな。文化祭で学校にいる間は忙しいいど」
「そうか…」
少し残念そうな顔。何か考えてやればよかったかな、と思った。
「まあ気が向いたらまた来て」
「わかった、じゃあ」
「またな」
俺は校門を出て、夕日のある方へ歩き始めた。

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作品ジャンル:純文学, オリジナル作品
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作者名:BLUE LEMON 綺 | 作成日時:2020年9月4日 20時

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