僕らの世界

What’s he doing？ ページ14

Z020年10月、最初の月曜日。
今日の活動は、ポスター掲示。俺ー東海林隼ーは、20枚ほどのポスターに掲示許可のハンコを押してもらってから学校のあちこちに貼っていった。「守ろう文化の城」という文字が入ったポスターは、プロジェクトに参加している美術部の部員に描いてもらった。しかし20枚は多すぎたか。

なぜなら今日、相棒はいない。

あいつは昨日も一昨日も3日前もいなかった。これで2週間も連続で休んでいることになる。海斗は元々休みがちだったが、ここまで長いこと休むのは今回が初めてだ。

「…という訳なんだ」
『ショージは連絡したの？』
「した。でも繋がらなかった」
結局俺は、ポスターを貼り終えてからパソコンを使って凉馬たちにも連絡をした。多分俺より凉馬のほうが海斗と仲がいいだろうから。
「2人は何か知ってるか？」
『いや、僕は何も』
『私も知らないな』
「マジか…じゃあ凉馬、真帆、時間ある時でいいから海斗に連絡してみて」
『オッケー』
「ありがと、じゃあよろしくな」
『任せろ』
「頼んだぞ、じゃあ切るからな」
『うん、じゃあね』
ツー、ツー、ツー…
1人きりの本社に、無機質な通話終了の音だけが響く。外はもう日が暮れ始めている。こういう時海斗がいたら、
「ショージ、おセンチ？」
と訊いてくるだろう。
本当にあいつは何をしてるんだ？

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