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生徒会の日常 ページ48

「サキー、行こう」
「うん」
2人並んで生徒会室に向かう。俺ー東海林隼ーの疎外感がすごい。
「スローガン、思いついた?」
「何にも…」
「そっか、俺は…まあ、駄作かもだけど1つ」
「何?」
「後でね」

最近、海斗の様子がおかしい。
神河さんとやたら仲がいい。下手したら、俺といる時間より長いんじゃないか。昼も一緒に飯食ってたし。今度問いつめてみるか。


「…じゃあ、スローガンは『不言実行』で決定だな」
俺がそう言うと、3人はパラパラと拍手をする。この前は色々と揉めたけど、何だかんだまとまってきた。神河さんは海斗が説得したらしいし、三浦くんも諦めがついたんだろう。海斗はいつもの顔、神河さんは表情がない、三浦くんは眉間に皺が寄っている(癖なのか?)。
「今日はとりあえず解散。また明日な」
「またな」
海斗は、俺に別れの挨拶をしてから、
「サキ、一緒に帰ろ」
と、神河さんを誘った。なんか悲しい…。でも、だからと言って三浦くんを誘うわけにもいかない。おとといは、「言っておくが、俺にそういう趣味はないからな」と大きな誤解を招きかけた。仕方ない、1人で帰るか…


「新しい生徒会の書記ちゃん、可愛くね?」
「あー、あの子?大人しい子だろ」
「そうそう」
第1回の生徒集会の日の放課後、廊下を歩いていると、そんな話を小耳に挟んだ。
「可愛いけど、あの子って何部?」
「確か元吹奏楽部。人間関係が上手くいかなくて独立したって噂だよ」
…え?今何て?
思わず聞き返す所だった。神河さん、そうなのか?人間関係上手くいってなかったのか?噂とはいえ、さすがに驚いた。てか、海斗はそのことを知ってるのか?
「あと最近、副会長と一緒に帰ってるらしい」
「副会長?ああ、あの背高い人?」
「多分その人。付き合ってるのかな、あの2人」
え?!付き合ってる?!海斗と神河さんが?!
いや、仲良いとは思うけど、そこまで行ってんの?!おいおい荒れてんな生徒会!
「ショージ、行こう」
後ろから声をかけられて、「ギャッ」と変な声が出た。
「何だよ、人に向かってギャッて」
海斗だった。神河さんはいない。
「あれ、神河さんは?」
「なんか用があるから先行っててって」
「ふーん、まあいいや、行くか」
階段をダッシュで上って、生徒会室へ向かう。また、いつもの放課後が始まる。

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作者名:BLUE LEMON 綺 | 作成日時:2021年2月2日 21時

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