正しい用法・1 ページ5
「これ、全部僕らのことだよね?」
「そうだと思う」
「この裏サイト、真帆が見つけたの?」
「ううん、最初に見つけたのは私じゃない」
私ー青葉真帆ーは、そう言って首を横に振った。
「最初に見つけたのは、彩花。星が丘の裏サイト見つけていきなり電話で『これ、どうにかしてよ!』とか言ってきて。それで私が『もしかして』って思って、渚学園の裏サイト探したら見つけちゃった」
彩花が電話をかけてきた時は、本当にびっくりした。裏サイトの存在にもびっくりしたし、何より小学生の頃はいじめっ子だった彩花が裏サイトに対して「許せない」という感情を抱いていることにびっくりした。
「それで、これを何かに利用できないかなって思って相談してみたんだけど」
「これを利用する?すげえ発想」
海斗が目を見開く。
「うーん…先生に突き付けるだけじゃもったいないよな…」
「せっかく弱みを握ったんだし、いざという時のために温存するのは?」
「弱みって言っても、誰の弱みだか分かんないじゃん」
「そうか…」
シーンとしたテーブルに、海斗の「ズゴゴゴー」という空のコップをストローで吸う音が響く。
「じゃあ、思い切る?」
ふと凉馬が言った。
「え、何するの?」
私が訊き返すと、凉馬は意外なことを言った。
「海斗、浦部くんに電話してくれる?で、今ヒマだったら呼んで」
「え、浦部くん?」
海斗は一緒ポカンとしてから、携帯を出して席を外した。
「ショージは、渚学園と星が丘の裏サイトにアクセスできる?」
「任せろ」
ショージはポケットwi-fiと携帯を出して検索を始めた。
「それから青葉、新海さんに電話して。それで今ヒマだったら呼んで」
凉馬はてきぱきと指令を出す。私は言われるがまま携帯を持って席を外す。
そして凉馬は、瀬戸くんに電話をかけたよう。
「瀬戸くん、今から行くって」
「浦部くんもOKだった」
「俺は裏サイト発見した」
「彩花もすぐ着くって言ってたよ」
全員がミッションをクリアしたからか、凉馬は小さくガッツポーズをしている。
「で、何するの?」
「いや、それは全員揃ったら発表するからまだ言わない。強いて言えば、思い切って勝負に出る、って感じ」
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作者名:BLUE LEMON 綺 | 作成日時:2021年2月2日 21時