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信じられない出来事・1 ページ39

『生徒会選挙 結果発表』

Z021年3月、第2金曜日。職員室前に張られた模造紙の周りには、それしか読みとれないほど人だかりができていた。みんな、「え、ウソ」とか、「信じられない」とか言っていて、中には泣いている人までいる。その原因を突き止めるため、俺ー進藤海斗ーは、ショージと一緒に人だかりをかき分けて前へ前へと進んだ。

「マジかよ…」

ショージは、そう言って俺に抱きついてきた。俺も上から順に読んでいくと、まさかの結果を目の当たりにした。

『生徒会長 東海林隼』

目をこすったり、ショージとお互いにボコスカ叩き合ってみたけど、確かにそう書いてあった。
「ショージ、おめでとう!」
「マジかよ…」
ショージは驚きのあまり、語彙が「マジかよ」だけになっている。
「おめでと、本当。頑張れよ」
「いや、そうじゃないんだ、あ、そうなんだけどさ、ほら、下から5行目」
ショージが何を言いたいのかよく分からないけど、とりあえず言われた箇所をよく読んでみる。

『副会長 進藤海斗(推薦)』

え、俺?!
推薦って何?!

目を白黒させていると、たまたま近くにいた流浪人の浪越くんが教えてくれた。
「推薦ってのは、今年から始まったシステムで、高等部の生徒会が決めてるらしいよ」
「え、俺、高等部に推薦されたってこと?」
「みたいだね」
「てか、何でそんなこと知ってるんだ?」
「高等部の先輩の弟の友達から聞いた」
「いや、もうそれ赤の他人じゃん…」
それにしても、何で俺??他にも推薦枠の人はいるけど、よりによって俺?
「てかこれ、俺のアウェー感すごい」
横でつぶやくショージ。「何で?」と訊くと、
「だってほら、選挙で選ばれたの俺だけ」
「あ、本当だ」
4つある生徒会の枠のうち、推薦で選ばれたのが俺含め3人。残る1枠は、正攻法で勝ったショージ。こんなのアリかよ?!
「これは、要報告だな。早速召集をかけよう」
ショージはパソコンのある部室へ向かってスタスタと歩いていった。

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作者名:BLUE LEMON 綺 | 作成日時:2021年2月2日 21時

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