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デザートは別腹で ページ26

「みんな、甘いものは好き?」
レストランを出たところで、ショージは私ー青葉真帆ーたちに訊いてきた。
「うん、好き」
「好きだな」
「私も」
全員が頷く。
「じゃあ決定だな。ちなみに今、デザートは別腹でいけるな?」
「OK!」
海斗が即答した。ピザを5枚も食べたのに、まだ食べられるって一体…
「よし、今から電車乗るぞ」
ショージは、駅の方へ歩き始めた。私たちも慌ててその後を追いかけた。


「倉宮?」
「ああ、倉宮」
私たちが電車を降りたのは、歴史の街・倉宮。これは正直意外だった。駅から出ると、観光地だからか、大勢の人でごった返している。
「え、この中を進むのか?」
海斗は一歩引いて言った。
「大丈夫、裏道だから」
ショージは入り組んだ道をスタスタと迷いなく歩いていく。


「おお、ここか」
裏道を通って大通りへとショートカットすると、その店はすぐに見つかった。
「ここの抹茶ソフトがうまいんだよ」
「へー…全部抹茶味なのに『甘め』とか『濃いめ』とか選べるの?」
「そうそう。俺、全種類コンプ目指してんだ」
ということで、ショージは濃いめとバニラのミックスソフトを頼んだ。ちなみに私は甘めを頼んだ。


「うめー!」
一口食べて、私たちは驚きの声を上げた。
「抹茶の苦味と甘味がまさに黄金比率!」
凉馬は、CMの宣伝文句みたいなことを言っている。
「海斗、ついてる」
私が海斗の口の端を指差して言うと、
「どこどこ?」
と言いながら、反対側の口の端を触って探し出した。
「海斗、そのまま。ショージ、ちょっと持ってて」
凉馬は素早くカメラを出して、口の周りが抹茶色になった海斗を激写。それからカメラを海斗に見せて、
「ここ、ここに付いてる」
と教えてあげて、ウェットティッシュも渡していた。凉馬ってやっぱり優しいな、と思った。てか、女子か(私が言うのもだけどね)。
「これ美味しい、めっちゃ濃い」
「だね」
そんなことを話しながら存分に味わった。おいしいものを色々食べられて幸せ!

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作者名:BLUE LEMON 綺 | 作成日時:2021年2月2日 21時

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