旅に出ようぜ 隼編 ページ17
『ちょっと旅しない?』
木曜日の夜、俺ー東海林隼ーは、BLUE LEMONのメンバーにメールを送った。生徒会選挙のちょうど1週間前、2月最後の木曜日のことだった。
きっかけは単純だ。みんなで団結しようとか、パワースポットでゲン担ぎとか、あとは青春したいから。BLUE LEMONのBLUEは、青春の青だから、やっぱり青春したい。
全員がOKを出したところで、俺は詳しい予定を伝えた。
『土曜日の朝7時、南中原駅集合。持ち物は交通費(遠くに行くから多めに持っておく)、食費、携帯、あとはそれぞれに任せる。結構歩くと思うから、動きやすい服装と履き慣れた靴で来るように。行き先は当日のお楽しみ、帰りは午後5時30分頃の予定。』
しばらくすると、海斗から返信が来た。
『わかった。ところで、おやつは300円まで?』
…好きにしろ!
俺も旅のプランを確認した。電車を乗り継いで遠い町へ行き、昼食を食べ、散策する。帰りは特急に乗って帰る。よし、完璧。今からワクワクしてきた。胸が踊って自然と表情筋が緩む。
旅先で、どんなことがあるのか。どんなことを思うのか。旅への期待は高まる一方だ。
そして、生徒会選挙はどうなるのか。ゲン担ぎで少しでもいい結果になってほしい、と思う。
ふと、どこかで聞いた歌が頭をよぎった。気ままなメロディーが自分の中で再生される。
恐れるなよ、
前を向いて、
さあ、旅に出ようぜ。
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作者名:BLUE LEMON 綺 | 作成日時:2021年2月2日 21時