自室へと戻った ページ45
．
渡「邪魔」
「あ、おかえり」
渡「だから、邪魔」
ごろんとソファに寝転がったままの私に、征司郎は面倒くさそうに声をかけてくる。
機嫌がこれ以上悪くなると厄介なので大人しく起き上がって、ソファの背に掛けてあった白衣を羽織った。
世良くんと美和ちゃんの奮闘により元通りのごちゃごちゃした征司郎の自室へと戻った仮眠室には、また人が寄り付かなくなった。
相変わらず昼寝に来る猫ちゃんや私、何かと声をかける機会の多い世良くん、時々美和ちゃんや権の字が訪ねてくるくらいだ。
因みに、征司郎が東城大へと帰ってきた為、世良くんの指導医はまた征司郎に戻った。
世良くん本人は非常に不満そうではあったが、私も指導はするから、と申し出たところ嬉しそうな顔をしてくれた。
うん、懐いてくれてはいるようだ。
そんな世良くんは只今、佐伯教授に呼び出されて不在である。
「そーいえば征司郎、あの写真どこへやったの？」
渡「あ？」
「レントゲン写真。隠してあんでしょ」
私と入れ替わりでソファに寝転がった征司郎はとてつもなく嫌そうな顔をした後、昨日送られてきたばかりのお米の袋を顎で指し示す。
なるほど、中に隠してあるのか。
渡「お前があれを気にするなんて珍しいな」
「あー……まあ、ね」
渡「んだよ。なんかあんのか」
何かあるっていうか。
別に私はあの写真がどんなもので、何を示していて、征司郎とどう関係しているのか、事細かに知っている。
でも何も知らない美和ちゃんと世良くんにはきっと衝撃的な物だっただろう。
そんなものを簡単に見つけさせてしまうとは、征司郎らしくない。
「あの写真さ、ちゃんと隠しておきなよ」
渡「は？」
「看護師の美和ちゃんが、ここで胸部にペアンが写ってるレントゲン写真を見たって世良くんに相談してたよ」
征司郎が舌打ちする。
見られてたことに気づいてなかったのか。
誰かに探りを入れられる前に別の場所に隠すべきなのかな。
いっそ私が持っておくか。
新たな隠し場所を提案しようと口を開きかけた時、ノックの音がして仮眠室の扉が遠慮なく開いた。
世「北見先生、渡海先生、1つご報告が」
「なぁに？」
征司郎の代わりに返事をした私に、戸惑ったような表情の世良くんが告げたのは衝撃的な内容だった。
世「合同オペをするそうです。……帝華大と」
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霜月(プロフ) - ゆんすずさん» コメントありがとうございます！応援して頂けて非常に嬉しく思います。これからも頑張りますので、宜しくお願いします！ (2018年12月17日 23時) (
レス) id: 7faa8b6556 (このIDを非表示/違反報告)
ゆんすず(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いております！！更新大変ですが頑張ってください！！応援しています！ (2018年12月15日 1時) (レス) id: 67b7d75cd8 (このIDを非表示/違反報告)
霜月(プロフ) - snake20xjapan04さん» コメントありがとうございます！嬉しいです！頑張って更新しますのでこれからも宜しくお願い致します。 (2018年10月10日 20時) (レス) id: 7faa8b6556 (このIDを非表示/違反報告)
snake20xjapan04(プロフ) - めっちゃ面白い！です。これからも楽しみにしてます。 (2018年9月26日 17時) (レス) id: b0aeedf16f (このIDを非表示/違反報告)
霜月(プロフ) - 白兎さん» ご報告ありがとうございます。私もその作品を拝見したのですがあまりに似ていて驚きました。でも、どう対処するかまだ検討中なので…。暫くは様子を見ようかと思っております。 (2018年8月10日 0時) (レス) id: 7faa8b6556 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霜月 | 作成日時：2018年7月13日 23時
