一件落着… ページ42
．
「守谷医院長」
漸く動き出したね…。
医院長の名前を呼んで、それから立ち上がったのは佐伯教授だ。
全部知ってた癖に征司郎と私に調べさせようとするんだから。
ほんと、とんでもない人だよ。
私にあの人に会うよう説得したときの内容は確かに頷けるものだった。
でもそれが全てじゃない。
私を帝華大に向かわせて、征司郎と共に証拠を引っ張り出させる。
貴方の真の狙いはこっちでしょう？
佐「貴方噂では退官後、帝華大の系列病院のポストを用意されていたそうですね？自分の利益のために患者のデータを外部に漏らすとは」
ほーんととんでもない奴。
やっぱ上に立つやつなんて碌でもないや。
佐「これは立派な犯罪だ。これで…その話もたち消えになるでしょうねぇ」
守「待ってください佐伯先生！」
佐伯教授が医院長のデスクに腰掛ける。
まあ、つまりはそういうことだよね。
顔を真っ青にして慌てた医院長は教授の足元に縋りつく。
滑稽で惨めで無様で…何て愉快なんだろう。
守「な、何でもします…！解雇だけは…！」
震えた声に思わず笑いそうになっちゃった。
隣に立ってる猫ちゃんも堪えきれずに口角を上げる。
征司郎も俯いてるけどその表情は呆れ半分で笑ってた。
佐「では、不問に伏す代わりに1つ条件があります」
守「何でも言ってください！」
佐「帝華大から戻ってくる渡海の受け入れをお願いしたい」
渡「……」
佐「向こうもそろそろ飽きたろう？」
征司郎は無言のまま佐伯教授と視線を交わらせてため息をつく。
束の間の帝華大は十分楽しんだでしょ？
さっさと帰ってきてよね。
私一人じゃ、この病院にいる馬鹿な医者共の相手はしきれないから。
佐「倍の給料、貴方が自腹でお支払ください」
佐伯教授は、目は笑ってないくせに笑みを浮かべて、絶望したような表情の医院長に向かって言い放った。
さて。これで一件落着…かな？
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霜月(プロフ) - ゆんすずさん» コメントありがとうございます！応援して頂けて非常に嬉しく思います。これからも頑張りますので、宜しくお願いします！ (2018年12月17日 23時) (
レス) id: 7faa8b6556 (このIDを非表示/違反報告)
ゆんすず(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いております！！更新大変ですが頑張ってください！！応援しています！ (2018年12月15日 1時) (レス) id: 67b7d75cd8 (このIDを非表示/違反報告)
霜月(プロフ) - snake20xjapan04さん» コメントありがとうございます！嬉しいです！頑張って更新しますのでこれからも宜しくお願い致します。 (2018年10月10日 20時) (レス) id: 7faa8b6556 (このIDを非表示/違反報告)
snake20xjapan04(プロフ) - めっちゃ面白い！です。これからも楽しみにしてます。 (2018年9月26日 17時) (レス) id: b0aeedf16f (このIDを非表示/違反報告)
霜月(プロフ) - 白兎さん» ご報告ありがとうございます。私もその作品を拝見したのですがあまりに似ていて驚きました。でも、どう対処するかまだ検討中なので…。暫くは様子を見ようかと思っております。 (2018年8月10日 0時) (レス) id: 7faa8b6556 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霜月 | 作成日時：2018年7月13日 23時
