耳障り ページ36
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黒「お前、今なんて…！」
「だーかーらー。あんた馬鹿なんですかって聞いたんですよ」
チラリと山本さんの顔を見る。
オペを無事に終えて、ちゃんと木下さんと話ができるようにしなくては。
そのためには、この男を退けて執刀する必要がある。
故に、ここは少々乱暴な言葉で。
「予定内とか、予定外とか。それこっちの理屈ですよね？」
グッと押し黙る男は目つきを鋭くして私を睨んだ。
あ〜怖くない怖くない。
そんなの征司郎に比べたら何ともない。
「患者にとっては裏切り行為なんじゃないですか？」
患者の側から離れ、権の字の隣に並ぶ。
怒りに震える准教授の顔を下から睨みつけた。
「医者が患者を前にしてぐだぐだ言い訳してんじゃねぇよ。邪魔」
ヒュッと、息を呑む音がした。
果たしてそれは正面からか。隣からか。後方からか。
私はゴム手袋に手をかけ、オペのメンバーへ向き直る。
権の字が素早く患者の元へ戻って準備を始めた。
「私が執刀しまーす。手伝って」
花「はいっ」
美和ちゃんが後ろに回り込み、ガウンを外してくれる。
その間に手袋もマスクも外した。
呆気にとられている世良くんを呼ぶ。
「ぼーっとしてないで。私は君の指導医。それなら君がやるべきことは？」
世「サポート、です」
「よろしい。権の字もいるからそんなに緊張しなくていいよ」
世「はいっ！」
「ではこれより。左心耳血栓の摘出を行います」
「「お願いします！」」
オペ開始の合図に、固まっていたみんなも漸く動き始めた。
麻酔科医がバイタルにサッと目を通しているのを視界の端に捉え、私はカエサルに座った。
ダーウィンとは違うが、別に扱いにくいとかは感じない。
まぁ、ただ一つ言えるのは。
「絶対手の方がやりやすいでしょ、これ」
いつまで経っても、私はどうも機械を好きになれない。
そんなこと言いつつ扱えるし勉強もしてるんだから、矛盾してる自身にほとほと呆れる。
まぁ、それは征司郎も同じことか。
世「遮断鉗子ください」
オペ看「はい」
オペが開始しても尚、動かない准教授。
更には上から降ってくる声。
守「黒崎先生…！…黒崎先生！」
あー…まじで耳障り。
いつまでもピーピー喚くなよ。
大した力も無いくせに。
「邪魔だなぁ」
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霜月(プロフ) - ゆんすずさん» コメントありがとうございます！応援して頂けて非常に嬉しく思います。これからも頑張りますので、宜しくお願いします！ (2018年12月17日 23時) (
レス) id: 7faa8b6556 (このIDを非表示/違反報告)
ゆんすず(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いております！！更新大変ですが頑張ってください！！応援しています！ (2018年12月15日 1時) (レス) id: 67b7d75cd8 (このIDを非表示/違反報告)
霜月(プロフ) - snake20xjapan04さん» コメントありがとうございます！嬉しいです！頑張って更新しますのでこれからも宜しくお願い致します。 (2018年10月10日 20時) (レス) id: 7faa8b6556 (このIDを非表示/違反報告)
snake20xjapan04(プロフ) - めっちゃ面白い！です。これからも楽しみにしてます。 (2018年9月26日 17時) (レス) id: b0aeedf16f (このIDを非表示/違反報告)
霜月(プロフ) - 白兎さん» ご報告ありがとうございます。私もその作品を拝見したのですがあまりに似ていて驚きました。でも、どう対処するかまだ検討中なので…。暫くは様子を見ようかと思っております。 (2018年8月10日 0時) (レス) id: 7faa8b6556 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霜月 | 作成日時：2018年7月13日 23時
