まっぴらごめん ページ9
．
「お帰り」
仮眠室に籠もってから暫くして、征司郎が戻ってきた。
無操作に差し出されたコンビニの袋を受け取る。
頼んだお使いの品であるフルーツたっぷりのゼリーとミルクティーが入っていた。
渡「随分と面倒なことになってるな」
「んー？」
渡「わかってんだろ。医局だよ」
隣に座った征司郎は、ニタニタ笑って私を見る。
わかってんならいちいち言わないでよね。
渡「またうまいこと言って丸め込んだんだろ」
「まあ、だってデスクいじられんのやだし」
渡「ふーん」
ソファに座っている私の隣に腰掛けて、征司郎は自分用の缶コーヒーのプルタブに手をかける。
ふわっと香ったのはタバコの匂い。
一服してきたんだろう。
「医局、通ってきたんでしょ。どうだった？」
渡「あー…ソファのあたりに群がってた」
「やっぱり……」
狭い中ローテーブルを囲んで仕事をしているみんなを思うと可哀想になってくる。
でも医局には出たくない。
帝華大の医者たちに囲まれるなんてまっぴらごめんだもの。
「息が詰まりそう」
渡「ここに居ればいいだろ」
「アンタと違って私にはやることあんの」
じっと仮眠室にこもっているわけにはいかない。
資料を取りに行ったり、他の医局員とコミュニケーションだって取らなきゃ。
更には今回のお披露目会のチームにも入っている。シミュレーションをやるとなれば必然的に外に出なければならない。
「てか、なんでアイツが執刀医なの」
さっき世良くんから執刀医が誰だか聞いてしまったのが間違いだったな。
いっそのことギリギリまでわからなかった方がこんなにやる気を削がれなくて済んだかも。
渡「佐伯教授の提案だろ」
「知ってるよ。だから余計嫌なの」
佐伯教授の提案じゃなければ覆して私が執刀したのに。
渡「別にお前は何もしなくていい」
「へ？」
渡「どうせ俺が全部やる」
「……そりゃ頼もしいことで」
くぁっと大きくあくびをして、伸びをする。
さっきの医局での疲労のせいか若干眠い。
征司郎は飲み終わった缶コーヒーを机に置くと自分のブランケットを投げて寄越した。
大人しくそれに包まろうとした時、控えめなノックの音と共に扉が開く。
世「失礼します。渡海先生、北見先生」
そっと覗き込むように現れたのは世良くん。
世「シミュレーションを始めるそうです」
………タイミングわるい…。
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霜月(プロフ) - 希央さん» お返事遅くなりましてすみません。コメントありがとうございます！本当にスローペースですが、頑張ります！ (2019年4月21日 23時) (
レス) id: 7faa8b6556 (このIDを非表示/違反報告)
霜月(プロフ) - 美里さん» お返事遅くなりましてすみません。ありがとうございます。これからも皆様に楽しんで頂けるよう頑張ります！ (2019年4月21日 23時) (レス) id: 7faa8b6556 (このIDを非表示/違反報告)
霜月(プロフ) - 中原三日月さん» コメントありがとうございます。お返事遅くなりましてすみません。更新、頑張ります！ (2019年4月21日 23時) (レス) id: 7faa8b6556 (このIDを非表示/違反報告)
霜月(プロフ) - 沙月さん» お返事遅くなりましてすみません。そうだったんですね！私も自分の名前に使われている漢字が出てくると驚くのでお気持ちわかります（笑）。これからも更新頑張ります！ (2019年4月21日 23時) (レス) id: 7faa8b6556 (このIDを非表示/違反報告)
希央(プロフ) - スローペースでも構いません。ちゃんと読んでいますよ！更新楽しみに待ってます (2019年4月8日 2時) (レス) id: 29de18e512 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霜月 | 作成日時：2018年12月17日 23時
