訂正したい ページ16
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高「例え医院長が君を"北見A"として見ていなくても、そんなこと気にする必要なんてない」
権の字は少し椅子を回転させて、身体をこちらへ向ける。
膝上に乗っていた私の手を上から包み込むように握った。
高「AはAだ」
「………うん。わかってる」
高「さっき詳しいことを聞いたばかりの私が言うのもなんだが、力になれる事があれば言って欲しい」
「………うん」
高「私は帝華大の医者だが、それ以前に君の友人だからな」
「………ありがとう」
権の字は一度ギュッと私の拳を包む手に力を込めて、そっと離す。
そのまま優しく頭を撫でてくれた。
高「ただ、一つ訂正したい」
「へ?」
高「最初に会った時、"櫻庭"だと名乗ってくれても構わなかった。あの海外の病院で、私は君を医院長の孫として見ることはなかったと自信を持って言える」
びっくりした。
帝華大の人間が、私をあの人の孫として見ないなんてこと絶対ないって思ってたから。
「なんで………」
高「君は私がそんな人間に見えるのか?」
まるで心を見透かされるみたいに顔をのぞき込まれて、慌てて視線を逸らした。
「会ってすぐに人間性まで判断できないよ」
しかもあの頃は帝華大の人間は全て敵だといっても過言じゃないくらい警戒してたし。
何言ってくるか、何してくるか、わかったもんじゃなかったから。
高「それもそうだな」
権の字はふぅ、と小さく息を吐いて私の頭から手を退けると立ち上がった。
ぐっと身体を上に伸ばす。
高「話しづらい事、聞いて悪かった」
「別にいいよ。権の字だし」
高「そう言ってもらえると助かる」
穏やかに笑う顔。
久しぶりに見たな、なんてぼんやり考える。
高「当直の職員がそろそろ戻ってくるな。もう出よう」
頷いて私はデスクの上の荷物を纏めると、着替えるために医局を後にした。
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霜月です。
全然更新できませんでした。
ごめんなさい。
気づけば以前の更新から約一ヶ月。
春はバタバタするのでダメですね…。
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霜月(プロフ) - 希央さん» お返事遅くなりましてすみません。コメントありがとうございます!本当にスローペースですが、頑張ります! (2019年4月21日 23時) (レス) id: 7faa8b6556 (このIDを非表示/違反報告)
霜月(プロフ) - 美里さん» お返事遅くなりましてすみません。ありがとうございます。これからも皆様に楽しんで頂けるよう頑張ります! (2019年4月21日 23時) (レス) id: 7faa8b6556 (このIDを非表示/違反報告)
霜月(プロフ) - 中原三日月さん» コメントありがとうございます。お返事遅くなりましてすみません。更新、頑張ります! (2019年4月21日 23時) (レス) id: 7faa8b6556 (このIDを非表示/違反報告)
霜月(プロフ) - 沙月さん» お返事遅くなりましてすみません。そうだったんですね!私も自分の名前に使われている漢字が出てくると驚くのでお気持ちわかります(笑)。これからも更新頑張ります! (2019年4月21日 23時) (レス) id: 7faa8b6556 (このIDを非表示/違反報告)
希央(プロフ) - スローペースでも構いません。ちゃんと読んでいますよ!更新楽しみに待ってます (2019年4月8日 2時) (レス) id: 29de18e512 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:霜月 | 作成日時:2018年12月17日 23時