嫌な予感 ページ8
嫌な予感を抱えつつも患者の事が気になって、タブレットで情報を細かく読んでいく。
こういう時の女の勘って当たるよね。知ってる。
すると突然、壁を隔てた向こう側から電話の鳴る音が。
職業病といいますか。反射的に勢い良く立ち上がって、仮眠室の扉を開けると駆け足で音の発生源へ。
ここに来たばかりの私に何が出来るんだって話だけど、きっと緊急事態だろうから一先ず要件だけでも聞こう。
「はい。こちら心臓血管外科です」
看『大変です！！急患なんです！！503号室の原田さんの容態が急変しました！腹部が痛いって仰っていて…！！』
向こう側から聞こえてくる焦った看護師の声。
あーほらほら嫌な勘当たったー！！
恐らくは腹部大動脈瘤の破裂だ。
勝手に指示を出していいのかちょっと悩むとこだけど…一先ず簡単な指示だけ出しておこう。
「分かりました。直ぐに手術を行いますので第一オペ室で準備をお願いします」
看『わかりました！！』
電話が切れる。
受話器を元に戻して私は医局を飛び出した。
指示を出したんだし、この後を見届ける義務が私にはある。
飛行機の中で頭の中に叩き込んだ院内の地図を頼りにオペ室へと走る。
「ここだ……！！」
辿り着くと、すでに患者は第一オペ室の手術台の上。
麻酔はすでに施し終えているようで看護師達がオペの準備をしているが、あまり慣れていない人たちなのか少し手間取っている様子。
これは、佐伯教授が到着される前にメスを入れて少し患者の容態を見ておくべきかも。
忙しない看護師達を横目に白衣を脱ぎ、側にあった棚に掛けて、手を洗う。
さっき患者の情報は運良く征司郎のタブレットで見れたから大丈夫。
頭の中で細かく確認事項と手術の工程を組み立てていた時。
不意に背後に気配を感じて振り返ってみれば、此方を少し驚いた様子で見つめる──猫ちゃんが立っていた。
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霜月(プロフ) - 重岡ゆう毅さん» ご指摘頂けて本当に助かりました。ありがとうございます！そう言って頂けると本当に嬉しいです♪更新頑張りますね！ (2018年6月30日 23時) (
レス) id: 830a43c59f (このIDを非表示/違反報告)
重岡ゆう毅(プロフ) - 霜月さん» いえいえ、わざわざありがとうございます！このお話とても好きなので、これからも頑張ってください！ (2018年6月30日 14時) (レス) id: 18e1e6c35b (このIDを非表示/違反報告)
霜月(プロフ) - 重岡ゆう毅さん» 誤字のご指摘ありがとうございます！修正致しました。 (2018年6月30日 13時) (レス) id: 830a43c59f (このIDを非表示/違反報告)
重岡ゆう毅(プロフ) - 「掛かっきた電話」ではなく、「掛かってきた電話」ではないでしょうか(・・?) (2018年6月30日 8時) (レス) id: 18e1e6c35b (このIDを非表示/違反報告)
霜月(プロフ) - たぷたぷさん» コメントありがとうございます。佐伯教授、素敵ですよね♪機会が作れたら書きますね！これからも宜しくお願い致します。 (2018年6月28日 23時) (レス) id: 830a43c59f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霜月 | 作成日時：2018年6月9日 2時
