東城大の女医は悪魔の幼馴染らしい

新事実 ページ18

医&研「「えっ……えぇぇぇっ！？」」




医局の中。
みんなの驚いた事による叫びが響きわたった。





渡「ま、そういう訳なんで。こいつが只の医者だと思わない方がいいですよ」




『もしかしたらこいつも、悪魔かもしれない』なんて楽しそうに口角を上げて言う。

そして私から身体を離すと、髪を優しく撫でつけてきた。




　「失礼な！！私は征司郎みたいなやり方はしません。よって悪魔じゃありません」


渡「けど物の考え方は同じ様なもんだろ」


　「性格の悪いアンタと同じにしないで」



あやす様に髪を撫でてくる手をベシベシ叩くと納得いかない様な顔をしてため息をついた。

征司郎は私の髪を撫でていた手を降ろして、仮眠室に戻るのか、そっちに足を向けて歩いていく。

まるで何事も無かったかのように




　「え、ちょ、ちょっと待って征司郎！？」




私が悪魔だとか征司郎と同じだとか、そんな事は放って置いてもいいとして、さっきの行動については！？

どういうつもり！？




渡「寝る。A、2時間したら起こせ」


　「え、うん。って、いや、そーじゃなくて！」




文句を言おうとしたのに何も聞かず、しかも『二時間後に起こせ』などと言って征司郎は仮眠室に消えた。

一体何なんだ。

全ての行動の意味が全く分からない。




高「君、渡海先生と幼馴染だったのか…」




振り返れば、権の字が苦笑いをしながらこちらを見ていた。




高「渡海先生が幼馴染となると、随分と苦労していそうだな」


　「んー。そうでもないよ？」




大変だったことなんてそこまで無い。

幼い頃から一緒だから言動に慣れてしまったってとこはあるかも知れないけれど。




　「あ、でも征司郎の突飛な言動にはいつも振り回されてるかな」


世「それは僕らもですけどね…」




心当たりがあるのか、世良くんがとてつもなく苦い顔をしたのは見なかったことにしておこう。

というか、世良くんが"僕ら"と言ったあたり、権の字や他の医者達のことも征司郎は相当振り回してると見える。

医者を殺して悪魔って呼ばれるくらいだもんね。
そりゃ色んな意味で振り回してるよね。

私は未だざわついている医局のみんなの方を向いてペコッと頭を下げた。




　「あー…えっと…まあ、何と言いますか…。あんな悪魔の幼馴染ですけど、これから宜しくお願いします？」




何だか、初日から波乱の予感。

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