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カンファレンスへ ページ14

結局、私が今は本当の事を絶対に言わないと分かったからか。


征司郎は腑に落ちない不機嫌そうな表情のまま、話は終わりだ、とでも言うようにソファに掛けてあった白衣を投げて寄越した。


受け取ったそれを羽織って、仮眠室と、無人になった医局から出て征司郎に連れられるまま会議室へと向かった。


会議室に着いたけれど、「呼ばれるまで待ってろ」なーんて言われてしまってから早30分が経過。


ずっと外で待たされている。


すると唐突に中から佐伯教授の大きな声が聞こえた。





佐「入りなさい」





…ここ会議室でしょ…?外まで聞こえるとか…教授は一体どれだけ大きな声出したの!?


なんてくだらない事を思いつつ扉を開いて中へと入る。


階段を降りてスクリーンの前まで突き進む。





佐「今日から新しく佐伯外科の一員となる北見くんだ。ドイツで3年、アメリカで2年、心臓外科医として働いていた」


 「初めまして。北見Aと申します。まだまだ未熟者ですが、今日からよろしくお願い致します」





頭を下げると、拍手が起こる。


突然の余所者加入だから、歓迎なんてされ無いだろうと踏んでいたけれど安心した。


一先ずは大丈夫そうだ。


顔を上げた視線の先、征司郎のすぐ側に座っている青年と目が合った。


こういう時は第一印象が大事。


そう思って微笑み返すと征司郎が苦い顔をしたのが分かった。


昔、彼から『お前、愛想笑いも程々にしとけよ。勘違いされるぞ』と苦言を呈されたことを思い出す。





佐「まずは君の荷物を運ぶ手と引き継ぎ患者の説明をする者が必要だろう」





昔の事を思い出していたら、佐伯教授から突然そう言われて慌てて頷き返す。





佐「ならば、そうだな…世良、高階、手伝ってやりなさい」


世「は、はい!」





先程視線が合ったあの青年が返事をする。


爽やかな好青年って感じだし、背も高い。


頼りになりそうだ。


それにしても…たかしな…か…。


私には耳馴染みのある名字。






佐「それでは、これでカンファレンスを終了する。解散してくれ」





教授の声で、一斉にみんな立ち上がり、私のことを気にしつつも、騒ぎながら外へ出て行く中。


先程の青年と一人の男性が此方に近づいて来るのが目に入った。





 「…ん…?……んん!?」





男性の方に非常に見覚えがあって、目を疑う。


まさか…あれは……!?





 「ご……権の字!?」

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霜月(プロフ) - 重岡ゆう毅さん» ご指摘頂けて本当に助かりました。ありがとうございます!そう言って頂けると本当に嬉しいです♪更新頑張りますね! (2018年6月30日 23時) (レス) id: 830a43c59f (このIDを非表示/違反報告)
重岡ゆう毅(プロフ) - 霜月さん» いえいえ、わざわざありがとうございます!このお話とても好きなので、これからも頑張ってください! (2018年6月30日 14時) (レス) id: 18e1e6c35b (このIDを非表示/違反報告)
霜月(プロフ) - 重岡ゆう毅さん» 誤字のご指摘ありがとうございます!修正致しました。 (2018年6月30日 13時) (レス) id: 830a43c59f (このIDを非表示/違反報告)
重岡ゆう毅(プロフ) - 「掛かっきた電話」ではなく、「掛かってきた電話」ではないでしょうか(・・?) (2018年6月30日 8時) (レス) id: 18e1e6c35b (このIDを非表示/違反報告)
霜月(プロフ) - たぷたぷさん» コメントありがとうございます。佐伯教授、素敵ですよね♪機会が作れたら書きますね!これからも宜しくお願い致します。 (2018年6月28日 23時) (レス) id: 830a43c59f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:霜月 | 作成日時:2018年6月9日 2時

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