僕らの世界4 (ページ48)

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天敵襲来・2 ページ48

「あ、翔先輩の名前あった」
「翔先輩って誰だ？」
私が歴代生徒会メンバーの名簿を見てそう言うと、恭輔は私のことを睨んで訊いてきた。
「この人。東海林翔先輩。友達のお兄さん」
「まさか付き合ってるとか言わないよな」
この人、変なところ頑固親父みたいなんだよなぁ。パパでもこんなこと言わないよ、多分。
「言うわけないじゃん」
とは言いつつ、その「友達」が私にloveの方の好意を抱いていることは黙っていた。口が裂けても言わない。
「てか中等部生徒会、今度は何する気だ？」
「誰にも言わない？」
「言わない。教えろ」
恭輔の口が堅いのは知ってるけど、脅迫するみたいな態度がまたイラッとくる。
「普通に高等部と和解したし、もうちょっとそっちのこと知ろうと思って」
「…裏あるだろ」
「ないよ、今回は本当に」
「いや、あるだろ。言ってみろよ」
「ないってば」

いや、あるんですよ、それが。恭輔、図星なんですよ。
私たちは、文化祭を2校合同開催だけでなく、高等部も巻き込もうとしている。渚学園では、中等部の文化祭の翌週に高等部が開催する。星が丘の高等部では、3年に一度だけ中等部と合同で開催(なぜか中等部は毎年開催)する。そして、今年がその一度。やるなら今！ということで、高等部生徒会の使えそうな資料を片っ端からコピーして持ってきてもらった、ということ。

「本当に何でもないから、用が済んだら帰ってよ」
「本当だな？」
「今のところは本当に何もないって」
「はいはい」
今日のところは、どうにかなりそう。危ない、危ない。
「じゃあね、ありがと」
「何だよ、素直に言えんじゃん」
「そーだよ、いつもは恭輔が調子狂わしてるから言えないだけなの！普通言えるから！用がないなら帰りたまえ」
「分かったよ、じゃあな」
「バイバイ」
なんとか恭輔を部屋から追い出して、ドアを閉めた。

はぁー…恭輔と話すの、エネルギー使うな…

一息着くと、早速スマホを出して、『ゲット！』というメッセージと資料の表紙の写真をショージに送った。ショージは、『NICE！』『GOOD JOB』という文字が入った謎のキャラのスタンプを返してきた。『明後日、うちで』と返して、私はベッドに倒れ込んだ。

恭輔と話すの疲れた…