僕らの世界4 (ページ47)

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天敵襲来・1 ページ47

「おい真帆」
Z021年5月半ばの休日。私ー青葉真帆ーが部屋で勉強していると、突然ドアが開けられて、今最も見たくない顔がこちらを覗いていた。
「何、てか来てたの」
「何だよ、人がせっかく来てやったのにその態度は」
「はあ？そっちが勝手に来たんでしょ。私、勉強してるから邪魔しないで」
この人と話すと、いつもこうなる。話しているだけでイライラする。だから勉強中なんて、絶対に会いたくなかった。
「とりあえずまず、俺は真帆より年上だ。俺を敬え」
この人ー青葉恭輔ーは、何かと年齢でマウントを取りたがる。年齢以外で私に勝てる要素がない、可哀想なやつだ。でもそれは絶対に口には出さない。もし口に出したなら、「俺の年齢抜かしてみろよ」なんて馬鹿なことを言ってまた調子に乗ると思う。
「人の家に上がり込んできて、本当に何がしたいの？用がないなら帰ってよ」
「…せっかく生徒会の資料持ってきてやったのに」
突然声のトーンを落としてつぶやかれた。
「…分かったよ、見せて、それ」
「お礼は？」
この一言が、すごくイラッとくる。何でこの人、ここまで神経を逆撫でするようなこと言えるのかな。
「…アリガトーゴザイマス、恭兄」
私は、やけくそになって言った。
「どーいたしまして、貸し1な。あとその呼び方やめろ」
ただただストレスが溜まる。これで2年付き合ってる彼女がいるなんて、世界はどうなってるんだろう。
「用が済んだら、帰った帰った」
私は部屋から恭輔を追い出そうとする。
「え、やだ」
恭輔は、人の部屋の床で寝転がってスマホをいじり始めた。女子の部屋に居座って、どんな神経してるの。
「…いつまでいる気」
「真帆が説明してって言ってきて、俺が説明し終わるまで」
ああ、私のせいですか。
「この資料について説明して」
「わーったよ、貸してみ」
恭輔は、面倒くさそうに言った。