僕らの世界4 (ページ45)

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伝えたいこと・2 ページ45

『ただし、この手紙でそれを伝えたことは、進藤くんには秘密にしておいてください。いつか気が向いたら本人の口から言うと思いますが、その時は初めて聞いたような反応をしてあげてください。』

わざわざそんな前置きを書く理由はよく分からないけど、とりあえず従っておこう、ということで読み進めた。

『俺は今も元気です。不眠症が少し悪化しているけど、そこまで気にかけなくても大丈夫です。直らないわけではないので。
俺がいなくても、寂しいと思わないでください。いつか戻ってくるつもりだから、それまで少し待ってくれると嬉しいです。もしも寂しくなったら、電話して下さい。
080ｰ○○○○ｰ○○○○』

もうとっくに知っている電話番号が書かれている。そして、よく見ると紙が貼ってあって、そこに私へのメッセージが書かれている。そして、そこだけ文字の形が他と違う。たぶん、海斗の字だ。私はちょっと嬉しくなった。

『それから、自分を大切にしてください。俺のことは心配しなくていいので、自分を大事にしてください。心のままで、自分の気持ちに素直でいてください。少しの間、俺の分まで学校生活を楽しんでくれると俺も嬉しいです。
最後に、俺の幸せはサキの幸せです。笑顔を忘れないでください。今度また、笑顔で会いましょう。』

海斗からのメッセージを読み終えると、自然と笑顔を造ろうとしていた。

『このメッセージは、進藤くんが咲さんに渡す予定だった手紙の下書きです。やっぱり渡すのはやめて、口で言おうとしているらしいので、こっそりコピーさせてもらいました。くれぐれも本人に言わないようにしてください。』

…嬉しいけど、結論としてはただのネタバレなんじゃ…